「どうして解散するんですか?」
という言葉が流行語大賞を取りそうな今日この頃ですが、街ではポスターと街宣車を見かけるようになり、一気に選挙モードに突入してきましたね。
解散については、首相の専権事項でありますので、そこにとやかく言うつもりは、わたくしは個人的にはありません。
安倍首相の言うように、すべての責任は彼にあり、この決断・タイミングも含めて選挙で審判を受けることになると思います。
ただ、
「大義のない選挙で、700億円もの税金が使われる!」
という、具体的な数字を伴う意見を多く見かけます。この度、東京都でもおよそ63億円の予算が、知事の専決処分によって執行されます。
有権者数1086万人。
投票所数1869箇所。
開票作業所67箇所。
施設の使用料に加えて、これらの運営に伴う人件費で、700億円のうち約一割がここ東京都で費やされるわけですね。(後に国から補てんされるので、東京都の直接負担にはなりませんけど)
ちなみに余談ですが「専決処分」とは、議会が閉会中で議決が出来ない期間に急を要する案件が出てきた際、知事がその権限で可決をしてしまい事後承諾で議会に承認をもらうことを言います。
この専決処分はかなり強大な権限で、議会閉会中なら実は知事はやりたい放題とも言えます。
実際、阿久根市ではワンマン市長が専決処分を連発し、大きな話題になりました。彼はのちにリコールされる結果となりましたが、そうなるまで誰にも止めることができないのも事実なのです。
※
専決処分には2種類あり、地方自治法180条に基づく専決処分は、議会の事後承認すら必要ありません。
閑話休題。
そして選挙で影響を受けるのは、財政面だけではありません。文字通り、この選挙によって東京都議会は「止まり」ます。
本来11月28日に開会し、12月中旬に閉会と言うスケジュールでしたが、今週金曜日に開会した瞬間、即18日間の休会。実質的な審議は、衆院選が終わった15日からになります。
東京都議会 平成26年第4回定例会会議予定表
なんだか、
「地方議会なんて、2週間くらいストップさせても大丈夫(なくらい意味がない)」
と言われているようで、いち地方議員としては複雑な気持ちです。
国政の連動で変わってしまう審議内容もあるかもしれませんが、スケジュール通りに行う議会もあります。
都議会も、そのままやるべきだったと個人的には思います。
都議会は地方議会の中でも特に政党色が強く(無所属がほぼいない。…あっ!)、大半の議員が政党所属なので、各々自分たちの地盤で選挙のために奔走することになるでしょう。
まさしく、政治の停滞です。国政だけに限らず、地方議会も。
繰り返しになりますが、解散は首相の専権事項ですので、とやかく言うことではありません。しかしながら、このコストと国内政治の停滞を招いてでも行うべき解散だったのか。
この点はぜひ、政策に加えて、皆さまも一つの判断材料にしていただければと思います。
今週木曜日は委員会、金曜日には本会議がありますので、停滞するその時まで、地方議員の職責を全うさせてもらいます。
それでは、また明日。
おときた 駿
◼︎おときた駿プロフィール
みんなの党 東京都議会議員(北区選出)/北区出身 31歳
1983年生まれ。早稲田大学政治経済学部を卒業後、LVMHモエヘネシー・ルイヴィトンで7年間のビジネス経験を経て、現在東京都議会議員一期目。ネットを中心に積極的な情報発信を行い、地方議員トップブロガーとして活動中。
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編集部より:この記事は都議会議員、おときた駿氏のブログ2014年11月22日の記事より転載させていただきました。快く転載を許可してくださったおときた氏に感謝いたします。オリジナル原稿を読みたい方はおときた駿ブログをご覧ください。