小学校のとき、仲良し友達と交換日記していませんでしたか?お互いのつながりを深めるとともに、自らをアピールするツールとして大いにお世話になりましたよね。マーク・ザッカーバーグ氏がハーバード大学の寮で女学生の人気ランキング・サイトとして始動させた後、交換日記の本質を見事にデジタル化させ学生のハートをキャッチしたのも納得です。
とはいえ、若い人の心はうつろいやすいもの。フェイスブックの栄光も年々色褪せてきております。
ブルームバーグが伝えたフランク・N・マジッドの調査によると、13-17歳層でフェイスブックを利用する割合は88%でした。2013年の94%、2012年の95%から大きく低下していたのです。
スナップチャットの台頭とともに、10代のFB離れが囁かれていましたよね。
(出所:Business Insider)
フェイスブック・メッセンジャーのアプリ自体も、ライバルと比較して年齢層はずっと高かった。37歳以下の利用者のシェアをみると、フェイスブックからの買収案を拒否したスナップチャットは86%、キック・インタラクティブは83%と、絶対多数にのぼります。しかしフェイスブックになるとガクンと低下し、55%に過ぎなかったのです。
10代のフェイスブック離れの一因に、企業理念への不信感が挙げられています。サービスが「信用に値する」との回答はたった9%でした。プライバシー・ポリシーが度々変更されたり、広告がニューズフィードに大量に更新されるようになって、辟易したのでしょう。フェイスブックの波及に伴い、親世代に利用の裾野が広がると同時に親の子供監視ツールと化した点も痛かった。筆者の周りにも、親の過干渉を嫌気し退会した19歳の女の子がいましたよ。
そうはいってもフェイスブック、7-9月期決算で利用者数の着実な増加を示すように経済力のあるリア充を中心に大人世代を囲い込んで収益体制は盤石。おまけにシティグループのアナリスト、マーク・メイ氏はフェイスブック傘下の写真共有サイト「インスタグラム」は月当たりユーザー数の3億人突破を受けて350億ドルの価値があると指摘しています。利用者が3億人と9月末時点でツイッターを上回るほか、利用時間が1.8倍に相当する点を評価。さらに、2015年の利用者が4億2000万人に達するとの予想に基づいております。
インスタグラムといえば、17-18日の間にセレブリティなどでフォロワー数の激減するという事象「インスタグラム・ラプチャー」が取り沙汰されています。例えばアイドルのジャスティン・ビーバーの場合でフォロワー数の15%に相当する350万人、ソーシャライトのキム・カーダシアンも5.5%に相当する130万人が消えてしまいました。インスタグラム側が、偽アカウントと判断したためです。スパム・アカウント駆除もあって、フェイスブック株は10代の利用者離れニュースを跳ねのけ1.9%高で引けました。
(カバー写真:Markus Pacher)
編集部より:この記事は安田佐和子氏のブログ「MY BIG APPLE – NEW YORK -」2014年12月19日の記事より転載させていただきました。快く転載を許可してくださった安田氏に感謝いたします。オリジナル原稿を読みたい方はMY BIG APPLE – NEW YORK –をご覧ください。