2014年は個人投資家にとっては、良い意味で激動の一年だったと思います。どんな一年だったかを振り返るのに、とっておきのチャートをイギリスの経済誌「The Economist」の最新号が提供してくれました。
世界経済のトピックスを8つのチャートでビジュアルに示していますが、キーワードは「Divergence(2極化)」ということです。上がるもの、下がるものが極端に分かれ、エリアのよって経済環境が異なる状態が続いています。
成長率はアメリカとインドは好調。日本と欧州は低迷
中央銀行のバランスシートはFRBを追いかけるように日銀が拡大中
インフレは消費税の影響のあった日本を含め下落傾向
原油は需給の悪化からほぼ半値まで下落
さらに下のチャートを見ると
アメリカ株式は、成長の加速と原油の値下がりで最高値を更新中
為替は原油輸出国の通貨は下落、特にロシアはドルに対して50%以上下落
中国の不動産価格は下落、一方で株式は年後半に急騰
インドは新政権誕生と経常赤字の減少により、株式市場が上昇
この中で日本の個人投資家が注目すべきは、中央銀行のバランスシートの動きだと思います。FRBの金融政策と日銀の金融政策のタイムラグが今後顕在化してくることが考えられ、その影響が為替レートに反映すると予想されるからです。
今回のチャートに掲載されているようなマクロ経済や金融政策のデータは、短期的な予測をするのには向いていないものです。しかし、これから数年後に向けてのトレンドを示している重要なデータも含まれていると思います。
日々更新される最新の統計データに一喜一憂するのではなく、今回のような世界経済全体を鳥瞰(ちょうかん)するような視点を持つことが、マーケットの大きな流れを見失わないために大切です。
たった8つのチャートですが、2015年の投資のヒントをいくつか掴むことができました。
今日はクリスマス・イブ。ブログをお読みいただいている皆さまも、素敵なホリデイ・シーズンをお過ごしください!
(出所:2枚ともThe Economistより)
編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2014年12月24日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。