経済学にはリカードの中立命題という概念がある。それが、どうも、日本については成立してしまったようなのである。
すなわち、政府債務があまりにも膨張してしまったため、将来何れかの時点で増税か社会保障の削減は避けて通れないと国民が確信してしまった結果、もはや、政府がどの様な財政政策を打とうが、国民は将来のために借金を減らし貯金を増やすことしかしなくなってしまったのである。
したがって、政府の経済政策の自由度を取り戻すためにも、また、日本をリカードの中立命題の呪縛から解き放つためにも、とうとう日本は、本気で政府債務を削減しなければならない状況に追い込まれてしまったのである。
現時点でデフレの要因として最も異論の少ない説は、日本の実質金利の高さであり、すなわちゼロ金利制約であり、現在、最も米国が警戒している状況である。
これに直球勝負で挑むとすると、深尾光洋先生のおっしゃるように金融資産課税と現金課税の組み合わせであるが、とにかく現金課税が技術的に極めて困難であり、現段階では研究の域であり、採用することは出来ない。
従って、デフレに対処するためには、変化球で勝負するしか方法が無く、大きく曲がる玉から打者の手元でわずかに変化する玉まで球種は一気に多様化し、議論は紛糾し、かみ合わなくなる。
そのリスクを覚悟の上で、筆者が提言するデフレ脱却の唯一可能と思われる方法論が金融資産(円現金同等物)に対する相続税の大幅引上げである。
現在60歳以上の老人世帯は1ヵ月当たり平均的に5.4万円の赤字(総務省:家計調査)となっており、常にあと何年生きられるかは分からないので30年分くらいの生活費として2千万円くらい(5.4万円×12ヵ月×30年)の蓄えは必要であり、これをどうこうすることは出来ない。そして、今後の老人世帯の増加に伴い、国民の蓄えが増加してゆくこともどうすることも出来ないし、敢えて、これを制限することは好ましくない。
問題は、長引く資産デフレによって、この蓄えのほとんどが、現金・預貯金・生命保険・国債といった、実質的に元本保証、それも生命保険以外は、政府保証がついた、金融資産(円現金同等物)に偏在していることである。
政府債務のほとんどは、この国民の円現金同等物資産によって担保されており、したがって、国民が蓄えを増やせば増やすほど政府債務は膨らむ宿命にあるが、だからといって、しょうがないとは言っていられないほど政府債務が膨張してしまったのである。
この問題を解決するには、ご老人世帯の資産を、円現金同等物から元本保証の無い不動産・株式・外貨資産に異動させるしかなく、これを、経済にダメージを与えずに、さらに、ご老人が納得できる方策で実施するしかないのである。
これを可能にする唯一の方法が、円現金同等物に対する相続税の大幅引上げであり、これが実現すれば、日本の資産デフレに歯止めがかかり、株高、円安になり、日本経済は劇的に改善するとともに、所得税・法人税・不動産税のチャネルを通して、財政収支も劇的に改善し、現在日本が抱えている諸問題に、一気に解決の糸口を見つけることが出来ると考えられる。
もちろん、資産効果、将来不安の減退を通して名目GDPは劇的な上昇になることが予想され、現在考えうる、唯一無二のデフレ解消法である。
相続税は、円現金同等物については基礎控除無しの50%の税率を課すことを柱として、次のように改正する。
【相続税の改正案(骨子)】
1.定義
円現金同等物:相続財産の内、現金、預貯金、債券、ならびに、それに類似する生命保険契約、投資信託契約等を、円現金同等物と呼ぶ
準現金同等物:相続財産の内、外貨建ての現金、預貯金、債券、ならびに、内国商品現物型ETFの対象となる商品(注:貴金属等が該当)を、準現金同等物と呼ぶ
相続現金同等物:相続財産の内、円現金同等物ならびに準現金同等物のことを、相続現金同等物と呼ぶ
2.税率ならびに法定相続割合
円現金同等物に対する相続税率は50%、準現金同等物に対する相続税率は20%とし、相続現金同等物の各法定相続人に対する相続割合は従前通りとする。
3.相続税額の計算
相続現金同等物に対する相続税は、他の相続財産とは分離して計算する。
相続現金同等物の課税対象に対する基礎控除は設けない。
税額は前項の相続税率により計算したものから、配偶者に対する法定相続割合分を控除したものとする。
4.相続現金同等物以外の相続財産に対する相続税
相続現金同等物以外の残余相続財産に対する相続税の課税については、従前通りとする。(不動産、上場・非上場株式等が該当する)
現在課税対象割合4.2%、税額1.2兆円でしかない相続税(財務省:相続税の課税状況の推移)は、この改正によって、老人の資産に異動が生じなければ、課税対象割合100%、税額7兆円程度に増加し、一見老人いじめにも見えるが、当座に必要な現金以外は、不動産・株式等に異動すれば相続税はさほど増えず、また、相続税の増税は経済に対してダメージを与えることがない。
政府は、扶養控除の廃止による子供手当ての創設に代表されるペイ・アズ・ユー・ゴー・ルールに縛られ、近々まとまるであろう法人税率の引き下げについても、法人税の課税ベースの見直しを財源としての、法人税率の引き下げに帰着すると予想する向きが多く、もはや、経済政策の自由度は全く奪われたといっても過言ではなく、すなわち、死に体となっており、消費税増税に最後の望みを託しているようであるが、消費税増税は経済に与えるダメージが大きすぎるため、確実に財政を悪化させるとともに、消費税をどれだけ上げようが、国民がリカードの中立命題から来る将来予測を変化させることは決してないため、政府債務の削減にたどり着くことは絶望的である。
このままでは、将来世代は、永遠に政府債務の重荷に苦しむことになり、経済的理由からの自殺者は減らず、経済困窮者に対する社会保障は増加するばかりで、間違いなく徐々に日本社会は荒廃してゆく。
相続税引上げは、海江田万里・経済財政担当相も閣僚になる前に主張していた政策でもあり、是非、今回の税制調査会において検討対象となることを切に願うものである。
(知民由之 機関投資家/リスク管理責任者)
コメント
ただタンス預金が増え、誰も申告しないだけではないでしょうか。
日本は国家社会主義ではございません。しかしやっていることはそれに近いのが現状です。いつまで国家が国民をコントロールしてやろうという発想をし続けるのでしょうか?そして日本の相続税は世界一高いことを知らないのでしょうか?私有財産を否定する泥棒略奪国家をやっているから国内にビリオネアがどんどん減っていくのです。
金持ちにとって一番の強盗は国家であります。国民の生命と財産を守るためにある国家が泥棒をやっていたら何のための国家ですか?そして国民を誘導して経済をコントロールしてやろうというのは発想そのものが間違っています。まさしく官僚的な発想のおごりです。
そんなに円高が問題なら藤原数希さんが言うように、産業の構造転換を計る必要があります。もはや労働集約型産業は技術に差が無くなったのだから多くは滅ぶしかありません。その流れを無理やり円安で生きながらえさせたらひずみはますます大きくなるだけです。
そして何より国家が国民の私有財産を好き勝手にコントロールしてやろうという国に住みたいと思いますか?そして言うことに従わなければ財産没収する泥棒国家に魅力がありますか?こんなことでは金持ちが日本に住みたいなんてまず思わないでしょう。
いつまでも大きな政府思考ではなく、税金に頼らない小さな政府を作っていくしかないのです。インフラが整った日本に大きな政府など必要ありません。そして国民の私有財産をコントロールするのではなく自由にすることがアングラマネーを消し去ります。それには相続税と贈与税を廃止するのが一番の早道です。
とりあえず外貨への誘導で取り付け騒ぎや金融恐慌が起きないことを祈ります。
穏やかな老後を迎えたいという老人に心理的不安要素を植え付けて早く殺すという策略ですね。わかります。
冗談はさておき、お金もちはすでに相続税対策をしてるとおもいます。前の方も書いてますがそもそもこんな税制ムダだとおもいますね。
更に言えば、中小企業では自社株の相続に酷い苦労を強いられています。結果廃業する会社も出てきます。雇用を増やす為には企業が必要なのに、殆どの企業は自己資産をベースにした過大な評価によって不当に高い相続税を払わないといけません。
事業を継承する人間にとって不安にしかならない相続税はすぐに廃止するべきでしょう。
それからお金を動かしたいなら前の方が同じように書いているように贈与税を廃止・軽減すれば良いのです。若い世代にお金がうつれば、購買意欲の強い若い世代はきっちり消費してくれますよ。
どちらにしてもとっとと納税者番号を導入しなかったために原始的で非常に手間のかかる税体系になっているのは国の問題であって、税金をきちんと適正に納めてもらう為のシステムを整えるのが一番だと思います。
全くもって同感で賛同いたします!!
手遅れになる前に早い段階で少しでも日本が良くなることを
切に願ってやみません。
まさに今我々国民も真剣にこの国の将来について考え行動しなければいけない時だと思います。
問題は税制上相続が他の手段と比べて不当に優遇されている事と老人優遇政策であって、相続税が高いかやすいかではない。オーストラリアやニュージーランドは相続税がないが、バカみたいな老人へのバラマキをせず教育などに予算を配分してうまくやっているし、比較的相続税が高いアメリカは寄付金控除の活用で富裕層のカネをうまく回している。対して、今の日本では相続税を上げてもそれをまた強欲老人に根こそぎ奪われるだけじゃないだろうか。
知民さんのご意見に 全面的に 賛同いたします
いつもブログを拝見しています。
よく文章を読んでない方から批判がありますが、これは単純な国家による略奪ではありませんよ。
現金及び現金同等物に対する税率のみを引き上げて、(政府債務に対応する形で膨大となった)金融資産から不動産等の資産への国民の資産の転換をうながす意見です。
別に資産の没収ではないし(不動産や株式へ投資する逃げ道があります)、それによって資産価格の上昇、名目GDPの上昇を促す目的がある政策ですよ。
このまま日本が破綻へまっすぐに進んでいけば、そのうち国債のデフォルト、つまり国債の相手勘定である円通貨の価値が激減して、金融資産を溜め込んでいる国民の資産を政府が没収したのと同じ効果を生むことになりますよ。(もしかしたらすでにそうなっているのかも?)
何も行動しなければ結局破滅への一本道を進んでいるんで、どうなるか結果がみえずとも、なんらかの劇的な改革案が必要な時期にきている気がします。
(私はじぶんが悲観主義者ではないつもりです。)
是非、実現してほしいです。
>7
きちんと読んでいます。その上で実現不可能であると断じているだけです。基礎控除なしに50%も取られ、しかも外貨なら税を軽減するというのなら、取り付け騒ぎが起きてタンス預金か外貨に切り替わって国債は大暴落するでしょう。それこそ国家破産です。国家破産で名目GDP成長率は凄いことになるでしょう。
取り付け騒ぎを発生させかねないこの提案で、国債が大暴落しないと思うのなら理由を知民由之さんから聞きたいです。ぜひとも曖昧のない完璧な論理を構築して説明してもらいたいです。希望的観測では困ります。
最近というより昔からですが、今でも世界一高い相続税を引き上げろと主張する学者や評論家が後を絶ちません。基礎控除が4億円ぐらいあるアメリカだって相続税は高いと言われながらも非上場株式は無税です。日本では現金化が極めて難しい未公開株にまで現金で相続税をかけてくる最悪な制度です。おかげで相続税による廃業が相次いでいます。
劇的な改革案が必要なのは確かですが、知民由之さんの改革案は社会主義的発想で国をおかしくするものです。国民の私有財産を国家のモルモットだと思っているのでしょう。
もちろん知民由之さんに賛同できるところもあります。リカードの中立命題(非ケインズ効果)についてだけは賛同します。しかしその解消に円の私有財産を没収する税制で、取り付け騒ぎの危険をおかす政策には賛同できません。
なんだか磯崎さんの預金課税論と似た乗りはありますね。
こちらは相続が発生しない限り課税されないという点が優れていますが、円建て資産か否かの区別は技術的に難しいと思いますよ。
税というのは公平感を伴わなければ成り立たないという原則論も無視しています。
仮に10億円の借金をして、現時点で10億円の負債と10億円の現金が発生したとき、不幸にも相続が発生した(つまり不慮の事故で亡くなった)ら、その10億円に課税されてしまいます。
相続人は相続放棄することになりますから、結果的に債権者が税を負担することになります。
合理的に考えればそのような金を貸さなくなりますから、経済そのものが回らなくなるという事になりますね。
今日(正確には昨日)の報ステで誰も住まない投資物件の中国の住宅が紹介されていましたが、似たような話でアメリカのアリゾナ版を渡辺千賀さんのBlogで紹介されていました。(中国は野良犬が、アリゾナはコヨーテが出るということで一人受けしてしまいましたが…)
皆がこぞって円建て資産を不動産などに投資すれば、またバブルの再来でしょう。
こういう持たざる者のヒガミ的提案より、子供への贈与を思い切って減税したほうがはるかにマシだと、持たざる者が言っても説得力無いかな。
相続税や贈与税なんて、先進国には不必要だと私は思います。
質問です。
これは、日本国債(長期を含む)、米ドルなどの外貨現金、外国の国債(30年物の米国債など)をすべて含む(現金と同等ということで相続税を課税する)ということでいいでしょうか?
知民さんの考えに賛同いたします。
流石 知民さんですね。 これしかないですね。
>9
取り付け騒ぎが起きぬように、日銀が現金を大量に準備すれば良いだけでは。通貨供給量が増えて、デフレも克服できるでしょう。そこが、この提案の狙いでもあると思います。
何もしなくても、このままですと国債大暴落の危険は時限爆弾のように、いつか破裂します。早いか遅いかだけの話です。
レアケースを考えて、何もしないのは、車は事故を起こすから使用を止めようと言っている様に聞こえます。
何か行動を起こすべきと思います。
知民由之氏の政策に賛成いたします。ぜひ実現していただきたいと思います。
反対意見はいろいろあるようですが、このような政策しか、もう日本をデフレから浮上させ、かつ財政破綻回避を可能にする方法はないように思われます。
>10番の方へ
相続財産から債務は通常、控除できると思われます。
国税庁:相続財産から控除できる債務
http://www.nta.go.jp/taxanswer/sozoku/4126.htm
知民さんの政策は、高齢者が資産の過半を持っているのに対し、若年層が負債の返済義務だけを引き受ける、という不公平感を是正するのにも役立つと思われますが?
投稿者の、知民由之です。
まず、沢山の方からご意見をいただき、本当にありがとうございます。
草の根運動から政府を動かす、特に税制と言うのですから、非常識極まりない輩ですが、時間がかかっても、世の中に空気が醸造される一助になればと投稿させて頂きました。
既に、一部の政治家の方からもご注目いただいており、なんとか、議論が深まればと願っております。
主要な疑問に対して、知民の考えを書かせていただきます。
>本当に景気が回復するのか?
この方向性が示された瞬間にマーケットがポジティブに反応しますので、やるやらないは別にして税制調査会が「検討してみる」と言えば、一気に空気は変わると思います。
また、資産効果はものすごく即効性がありますので、やると決めさえすれば、実施する前から直ぐに経済指標すら好転しだします。
実際に税収が増加するには少し時間がかかり、さらに、基礎的財政収支が黒字になるまでには紆余曲折がありますが、もう、その時はだれも効果を疑う人はいません。
>老人が反発するので政治的メリットが無い!!
デフレから脱却できず、不動産や株が上がらなければ、どのみち政権は長持ちしません(バブル崩壊以降、株を上げずに長期政権が出来た試しはありません)。
政府に言われたとおりに、自分の資産を不動産や株に移したご老人が儲かれば反発はありません。
政権は、いずれにせよ、不動産や株を上げなければならない宿命です。
この提言は、資産家は資産家らしく、現金にしがみついていないで、不動産と株で資産を構築し、配当生活を目指しましょうという、普通の世界を目指したものです。
この方向性になれば、政治家が、真っ先に、先回り的に、全資産を不動産や株に移すでしょう。
投稿者の知民由之です。(2)
>贈与税を無くせば良い
全ての政治家が、ペイ・アズ・ユー・ゴー・ルールを遵守させられている中、財源の無い減税は無理です。また、借金が膨らみ過ぎて、消費喚起だけではリカード命題の解消、すなわち政府債務の削減は無理です。
>国外逃避が起こる
この制度が発布されれば、国内の全ての金融機関の営業力がフル稼働し、資産家という資産家の預貯金は瞬く間に税制を回避するためのファンドに振り変わります。むしろ、税制の設計の段階で、確実にリスクマネーに振り変わる抜け道の無い制度設計が重要です。
>国債が暴落し国家破産する
経常収支が大幅に赤字にならなければ、国債に対する国内需給は中立です。万一20%の税率の外貨に逃げて経常収支が赤字になっても、140兆円程度までは問題ないと試算しております。インチキ無しで、大幅な円安が実現しますので、世界中から賞賛され、ひがまれるでしょう。
>世界的に見て変!!
世界標準と比べる場合には、政府債務残高、国民の現預金偏重、デフレ、物価高(世銀の購買力平価に言うところの物価)、高齢化も一緒に比べてください。
>現金を隠す、ないし、こっそり贈与する
法律違反です。今でも、この法律違反はありますが、どこまで取り締まるかは別問題です。ついでに、税務署と国税庁の相続税担当職員を大幅に増員する必要があります。
>バブルがおきる!!
世界に冠たる日銀の腕の見せ所です。日銀は涙を流して喜ぶでしょう。
投稿者の知民由之です。(3)
>小さな政府を目指すべき!!
将来世代の年金は国庫負担ゼロを目指しますか?おそらく7割以上カットになりますが。
>法人に資産を移す
資産管理のみを目的とした法人に対しては別途規制が必要ですが、公器である企業が丈夫になるのであれば、日本にマイナスではないと思います。
>債務はどうなるのか?
一般に、ご老人の債務は相続税対策のアパート建築資金ですので、現金同等物以外(不動産)の残余相続財産とネットアウトできる方がいいと思います。
>中小企業の自社株の問題
本論とは別とは思いますが、セットで検討されるといいですね。
>相続税は安定税源ではない!!
14年以降相続税は1.1~1.2兆円で安定しています。
しかし、元来、この提言は、相続税に期待していません。不動産税、所得税(利子配当税)、法人税という普通の税収チャネルの増加を期待しているのです。
>知民由之は気に食わない
家内からいつもそう言われます。
以 上
今の巨額な債務だと、遅かれ早かれひどい状態になるのは目に見えてます。(今も十分ひどいですが)
今なら、まだ間に合うような気がします。
消費税増税とか変な事になったら、腰までつかっている、ずぶずぶの沼からぬけられないでしょう。
いい事ばかりではないでしょうけど、困る事も出るでしょうが、沼からもがいて出られる可能性が高いでしょう。
知民氏の案を実施できれば、近い将来に迫っている国家破産は遠のくのではないかと考えます。
予算もあまり使わないし、政治家・官僚が決断できるかどうかだけでしょう。
税収を増やすのが目的ではなく、株・土地にまわってデフレ解消となり、結果、増収となる形が実現して欲しいです。
間違っても、消費税増税とか、贈与税なしとか、金が回らなくなる事はして欲しくないです。
決断出来ない政治家はいらないです。
これしかない。対案があるのならぜひ聞きたい。
世の中、良くする為に消費税作って、
3%じゃ足りないといって5%にした挙句に
また上げようとする発想が理解できない。
廃止すべきだ。
今の日本には、逆転の発想が必要です。
一時的なマーケットの上昇、金融機関の手数料収入を増やすだけの非常に問題のある手法だと思います。
今の日本に足りないのは投資ではなく、消費であり、消費世代に資産を委譲するならばいざ知らず、お年寄りの資産を投資に向かわせても彼らは消費者にはならないので、消費の生まれない投資は実需を生まないただの虚像であり、全く意味がないです。
将来的に無駄に資産を毀損させるだけの最悪ともいえる手法です。
なぜ彼らは消費者にならないかは、彼らは消費するためのレジャーに行く身体的状況、気力等が十分に整っていないからです。事実、私の周りのご老人も資産を相当程度に持っていますが、まったくそれに見合う消費をしていません。配当が入ってもこの傾向は絶対に変わり様がないです。
金銭的問題でないことは現在の労働なきお年寄りの資産が年々増加し続けている現実からも十分に推察がつくでしょう(不動産等が毀損しているのにも関わらずです)
もしアメリカの例をとって、おっしゃっているのならばそれは完全なる見当違いです。
彼らは明らかに投資の収入を期待して人生設計を行っています。それは中学の時からすでに金融に対する教育を受けてきて、投資の利益も収入としてカウントしてきているからです。なので、消費と連動します。日本でブルームバーグを家に搭載している家庭がどれほどいるのでしょうか?
インフレは一時的に起きるかもしれません。ただし、このインフレは悪いインフレです。悪いインフレは実需を生まずに、その後巨大な負債を将来世代、引退世代、現役世代に押し付けます。国として採用することはありえないです。
贈与税を0にして消費世代へと資産の委譲を促すほうがはるかにましです。その贈与資産は1年以内に消費しなければ課税という状態にすればいいでしょう。電子マネーやクレジットとの連動であれば十分こういうのは可能です。
その場合は、相続税は増税しても構わないでしょう。動かない金は死んだようなものですし、経済にとっては悪です。
セットでやれば、贈与税分の税収を消費税で賄うことが出来るので、ペイアズユウゴーを満たします。実際それ以上はいるでしょう。(5%に対して100%課税できていないのですから、当たり前の数式ですが。)
こうやって消費を増やして、需給ギャップを埋め、インフレを起こし、投資を促すほうが健全な機関投資家の考え方だとは思いませんか?
「デフレ脱却のために相続税の大幅引き上げを」・・・・ですか。
デフレを脱却したいのであれば、基本的にデフレは中国などの新興国とコスト面で勝負にならないせいで、
結果として、職や投資機会が海外に吸い出されてしまっているのが問題なので、
「企業が投資しやすくする」=「お金持ちが安心して投資できるようにする」環境を整備した方がいいはずです。
なので、ベストの選択は、
・「労働法規をゆるくする」
・「法人税や所得税を下げる(=かわりに消費税をあげる)」
・「利子課税や株式売却益への課税の引き下げ」
・「相続税の引き下げ」
・・・という結論になるような気がします。
なりません?そうですか。別にいいけど。
>本当に景気が回復するのか?
景気が悪いのは、期待投資利子率がマイナスなせいなので、よくなりません。
どんなドジなお金持ちでも、政府よりは有効にお金を使うので、相続税を上げると社会全体の効率が低下します。というわけで景気は悪化するでしょう。
>老人が反発するので政治的メリットが無い!!
基本的に年金が高すぎるので、年金を削減すべきです。財政再建に楽な道はありません。
>贈与税を無くせば良い
この話題と関係ないと思います。
>国外逃避が起こる
するでしょうけど。実施面の問題なので関係ない。
>国債が暴落し国家破産する
相続税は安定財源としては小さすぎるので、消費税を上げないと、効果はあまり期待できません。
>世界的に見て変!!
お金持ちだって、税金を払う政府を合法的に選択できますから。変ですな。
>現金を隠す、ないし、こっそり贈与する
実施面の問題なので、関係なし。
>バブルがおきる!!
いまこんなに通貨供給しているのにバブルが起きないので無理。
>小さな政府を目指すべき!!
年金をカットすべきです。
>法人に資産を移す
移せないよう法人からお金を巻き上げるわけですか。いったい税金を誰が、かせぐのでしょう。
>相続税は安定税源ではない!!
相続税は1.1兆円でしかありません。不動産税、所得税(利子配当税)だってたいした金になりませんし、法人税だって下げなくては国際競争に勝てません。消費税を上げるべきです。税制再建に楽な道はありません。
知民です。
eqさんには、真剣なご意見をいただき感謝いたします。
>消費を増やし、需給ギャップを埋め、インフレを、、、
その通りですが、今まで、そして、今でも、実現可能な、その方法を誰も見つけることが出来ませんでした。
本件も、順番は違いますが、最終的には内需拡大とインフレを目指しており、結果が一緒なら、大同小異のような気もします。
>老人は消費しない。相続税を上げ、贈与税0を。
住宅購入の贈与税下げは、大きな効果でした。減税は間違いなく効果があります。でも、贈与税下げは金持優遇と批判を受け、政治的にハードルが高く、ただでさえ、実現可能性が奇跡的に低いのに、さらにハードルを設ければ、もう政策提言では無くて、単なる願望の域にまで下がってしまいます。
kazkazkaさん。国会には、たくさんの法律案が出ますが、ほとんどが廃案か継続審議です。1点突破しか無理です。
知民は、機関投資家としてリスク管理の制度設計によって、企業体のリターンを最適化するポートフォリオ・マネジメントの仕事をしております。
制度設計の場面では、いろんな意見が出ますが、ほとんどの場合、知民の当初案で事が進みます。それは、知民のこれまでの制度設計が、ことごとく良好なリターンを生んできたからです。
知民の制度設計は大胆で、いつも企業体として受け入れるには、とても怖くて、事無かれ主義の人は卒倒してしまうような種類のものばかりです。
知民が何かやろうとすると、常に「徐々に」「少しずつ」「平均的に」「大きすぎる」という意見を言う人ばかりですが、知民は常に「大胆に」と一蹴しています。
知民が組織を動かす時は、常にリスクをおかして、「悪いようにはせんので、ついておいで」と、先を歩きますので、みんな、とりあえず、ついてくるのです。
人間、かならず保身が付きものですので、リスクは俺が取ると言わなければ、だれもついてこないものです。
レスありがとうございます。
ただ、議論がかみあってないようです。特に次の2点で。
1:ここは資本主義社会で、経済活動を自由にさせ、お金を稼ぎやすくすることが、経済を活性化することをおもいだしてください。
2:そして、経済学を少しでも勉強したことがある方なら、同じ税額で最も経済に悪影響を及ぼさない税は、消費税だということもおもいだしてください。
相続贈与税の増税でせいぜい1兆円も増えないのに、今以上に税率をあげると、社会への悪影響が大きすぎます。年をとったら、企業を経営できなくなります。素直に消費税を上げるという選択肢がでないのはなぜでしょう?
経済学の本を見直してみていただきたい。
投稿者の、知民です。
kazkazka さん、何度もご教授ありがとうございます。
アゴラさんのオピニオン発信の場を借りて意見交換させて頂くのも気が引けますので、知民のブログでよろしければ、そちらで、意見交換させていただけませんか。
hca02673というハンドル名をクリックすると、知民のブログに行けます。
kazkazkaさんへ
知民さんのおっしゃっている政策案は、実質的に相続税を上げる、というのが目的ではなく、資産保有のあり方を変え、そのことによってデフレ脱却を目指す、というものであると解釈していますが?
それでうまくゆくのであれば、消費税の増税も必要なくなると思いますが、どうでしょうか?
(租税法の)法学者なら一笑に付す様な提案でしょうね。税は、「法」なのですから経済学的見地からのみ論ずべきものではありません。
もっとも、思考実験としては面白い提案だと思います。
しかしこのような非現実的な提案よりも、「リスク資産の相続税評価額を大幅に引き下げる」方が、知民さんのねらいと同様の効果があり、現実的で、スジが良いと思います。
さらに、世界一高いといわれる相続税の負担を引き下げる効果も期待できるのではないでしょうか。
>アゴラさんのオピニオン発信の場を借りて意見交換させて頂くのも気が引けます
私も、まあ、そこまで気合いが入っているわけではありませんですし・・・・。
ただ、財政再建を目指すというのであれば、それを可能にする大きな財源というと、悲しいことに消費税しかないと思いますし。知民様の意見では、相続税の増税で財政再建できるような誤解を生んでしまします。
デフレの克服であれば、これ以上お金をじゃぶじゃぶにしても誰も投資しないのですからバブルはおきませんので、
あとは、自由主義的な方策(=法人税・所得税・相続税の下げ・労働法も含めた規制の撤廃と、代わりの財源として消費税の上げ。年金の削減)が、やはり、残念ながら、原則であるように思われます。
返信ありがとうございます。
インフレには賛同しています。この国にはインフレが必要です。対処法をいくつか並べてみます
?贈与税の減税。
金持ちが金を使わずに誰が使うのですか。間違った考え方を当たり前のように甘受するのは、社会に対抗しようとする御氏の考え方に反していると思います。
?資金供給量を増やしまくる。少なくとも今から20兆円は増やす。M1意味なしとおっしゃられる方もいるが、だぶつきまくれば大きく変わります。国債の金利の下限には限界があるからです。一定以下では固定費で全て飛びます。そうすれば金融機関も流石に市場か外に金を流し、結果としてのインフレか円安になるでしょう。
?BIの導入。いわゆる可処分所得がタイトな人々に資金を回して、結果としてのインフレを狙います。とはいっても現実的には今、BI導入は月3万くらいでしょう。
??の導入の条件として社会保障費を大きく減らし(特会込みで50兆ほど)、教育に一定額向かわせる資金を、年齢制限なしで子なしの家庭から徴収。子供のいない家庭又は独身で、総合商社クラスならば、子供がいる総合商社家庭に比べ裕福すぎます。子供は国家に必要なので。子育て費にしないのは、それをおこなった場合はあまりに低所得に傾くからです。満遍なく生んでほしいので。年齢制限は無しです。
それが気に入らないで外に出て行った場合は一切の社会保障費をその個人に支払わなければいいでしょう。国家の年金は複数の仮定で成り立っているので、それを守らないならば当然です。
まあ、他にも色々ありそうです。投資に反対なのは、投資経験者または現役者としての立場から
投資の世界は素人にあまりに厳しいからです。仮に上流階級に所属していたとしても、興味もなく、投資教育を一切受けてきていない方々が利益を出す確率は1%位だと思います。そんなに甘い世界でないことは機関投資家がもっともよく知っているでしょう。合法的な詐欺になる恐れが高すぎます。
eq が決定的に間違っているのは、円が投資じゃないと思っていることです。日本円も、日本国債も明らかにリスク資産です。
金持ちも何も考えずに金を使わないわけでは無いと思います。
どうやって投資させるか、どうやって金を回すか様々な見地からできるだけ早急に行動に移すべきだと思います。
投稿者の、知民です。
sennaproさん、大所高所からのご教授ありがとうございます。
相続税が高いというお話ですが、財務省の「主要国の相続税の負担率」を見る限りは、その実態が把握できないのと、「所得再分配の国際比較」(「社会実情データ図録」さん)の分析では「所得税や相続税の累進度を低め、逆進性を持つ消費税への依存度を高めた結果、税による再配分効果は低まった」という結論となっております。
確かに、一部の方には重い相続税になっていることは、知民も職業柄、良く耳にしますし、見ております。
しかし、全体では、課税割合4%、税額1兆円(90年には4兆円でした)でして、この状況で、世界一高い高いというのは、論点を
整理する必要があると思います。
確かに、目白の今太閤のお屋敷は、昔相続税で1/3ほど無くなったことになっておりますが、まさか、そのような、風説を政治家が流しているとも思えませんし、、、
あと、知民は囲碁を打ちます(将棋も見て楽しんでいます)。
知民はヘボ碁ですが「スジ悪」の手を打って相手を油断させておいて、最後に出し抜いて、あっと言うのは爽快でたまりません。
(実は、こんな芸当はできません。結果としてです)
、、、
先日は、清水女流プロがコンピュータに負けました。
コンピュータは、男性プロから見て「一見スジ悪」の手を、ばしばし打ってきました。
しかし、検討の結果「一見スジ悪の手に見えるが最善手」という結論になっております。
知民は、プロの人でもわからないような素晴らしい手を、コンピュータはひねり出すんだと、感心しきり、というか、恐ろしさを感じました。
ranksukiさん
消費を生まない投資など意味ないですよ。実需のない投資はただのバブルです。
半分ぼけているかもしれない老人を痛めつけようとするなどあなたは愉快犯ですか?ぼけてなくてもバブル期どれほどの人が破産したのでしょうか?
気持ちよく消費して貰う(代わりに孫でも誰でもいいですが)方法を考えるのが常道でしょう。
あと、円債うんぬんは、存じております。ご心配なく。
ちなみに練磨されている方は、ごく一部であることは存じております。もちろん、人並み以上には考えてはいますが、考えるだけで突然出来るようなものでは投資はございません。
大企業の取締役クラスですらです。
この国における、M&Aの惨状は個人レベルでも同様です。
法学者ではありませんが、監査・税法側からみるのはあえてしませんでしたが、法律で穴がないものを作成することは歴史上成功しておりません。
まことの金持ちは逃げます。必ず。
もう一度、応援のためのコメントです。
あまり関係ないかもしれませんが、お年寄りが投資詐欺に簡単にひっかかるのは、上場株など、リスク資産を極端に避けていることが一因では?
詐欺師は元本保証ですと言えば、容易に騙せる。聞いたこともない社債、投信、アフリカの通貨などを買わされてしまう。ハイリターンにはハイリスクがつきものなんだから、元本保証(ノーリスク)なんてあり得ない、ということが普段からわかっていれば…
もっときちんとした金融教育が必要と思われます。