受験生のみなさん、最後の最後まで粘りましょう!

荘司 雅彦

いよいよ本格的な受験シーズンが到来しました。

本試験直前になると、大きく分けて二通りのパターンの受験生が現れます。

一方は、「いまさらあがいても仕方がない。運を天に任せよう」と割り切って直前を無為に過ごす人たち。他方は、「明日の試験に出題されるかもしれないから最後まで粘ろう」と試験直前まで頑張る人たち。

中には、本試験直前になって精神的にフリーズして勉強が手につかなくなる人もいます。このタイプの人は、神経科等を受診して応急措置をするしかないかもしれません。

タイトルからわかるように、私は多くの受験生に「最後の最後まで粘る」ことを強く勧めています。

どのような試験にも、必ず「範囲」が存在します。そして、その「範囲」の中には重要な部分とそうでない部分があります。

「範囲」の中の重要な部分だけに絞り込めば、前日に一通り(場合によっては二通り)目を通すことが十分可能なのです。ザッとであれば全範囲に目を通すことも可能です。

人間の記憶は実に実にアテにならないものです。
しっかり頭に定着していたはずの事柄を、本試験の最中にどうしても思い出せなかったという経験をお持ちの方もいるのではないでしょうか?

昔の司法試験受験界には、「答練横綱」のような人が必ずいました。答練という模擬試験では常に上位にいながら、本試験では何度も落ちてしまう人たちです。そういう人たちの多くは、直前対策を怠っていたものと私は推測しています。

週に一回、各科目の一部を範囲とした答練では高得点を取れても、3日間で7科目全範囲をクリアしなければならない本試験では”記憶の喚起”ができないのです。どれだけ勉強しても、本試験の答案でアウトプットできなければ合格はできません。

逆に、普段の成績は全くダメでも、直前に学習したことが運よく何科目かに出題されて合格してしまったラッキーパーソンもいました。出題範囲が極めて膨大なかつての司法試験でさえ、直前対策が命運を分けたのです。

センター試験でも中学受験でも、前日に重要箇所すべてにザッと目を通すことくらい十分可能です。それで点数が上がったり合否が決まったりするのです。

もちろん、無理は絶対に禁物。ザッと一通り(場合によっては二通り)目を通したら、しっかり睡眠をとって体調を整えましょう。緊張して眠れなくても大丈夫です。眠れずにうとうとしているだけでも、数時間の試験くらいはクリアできます。私自身が経験者です。

受験生の皆さんが本試験を楽しまれることを、心からお祈り致しております。

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荘司雅彦
講談社
2014-02-14

編集部より:このブログは弁護士、荘司雅彦氏のブログ「荘司雅彦の最終弁論」2018年1月9日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は荘司氏のブログをご覧ください。