「お金の達人」になれば「人生の達人」に近づける

一般に日本人は、投資や資産運用を「あぶく銭」「ギャンブル」とみなし毛嫌いする傾向があります。確かに、お金は投資ではなく自分で働いて稼ぐものというのも、1つの考え方です。しかし、そんな人であっても、お金との付き合い方については勉強しておく必要があると思います。

資産運用の仕事に携わる者として、できるだけ多くの日本人にお金との付き合い方を広げてもらう試みを、いろいろやってきました。セミナーや講演に来てくれたり、書籍を読んでくれる熱心な投資家の方もいますが、その比率は日本の人口全体から見れば、まだまだ少数派でリテラシーの高い方ばかりです。

より多くの人にお金との正しい付き合い方を知ってもらうためには、どうしたらよいのでしょうか。2つの方法を考えてみました。

1つは大人だけではなく、「子供のためのお金の学校」を作ることです。かつて、マネックス・ユニバーシティという投資教育会社の社長をしていた時、「株のがっこう」というプログラムを作りました。小学5年生から中学3年生まで、全国から28人の子供たちに集まってもらい、教えたことがありました。同伴した親御さんの方が興味を持つと言う想定外の展開になりましたが(笑)、子供たちの吸収力の高さに舌を巻いたのを覚えています。

あるいは、茨城県の高校でお金に関する講義を行い、書籍化したこともあります。こちらも新しい試みで試行錯誤しましたが、お金に興味を持つきっかけにできたと思っています。

機会があれば、子供向けにまた同じような試みをやってみたいと思っています。

もう一つの方法は、私が今までリーチできなかった方に異業種の方とコラボレーションしてアプローチすることです。例えば、以前からお付き合いのある歌舞伎町ナンバーワンホストの信長さん(写真)は、本業の傍ら、ご自身の知識や経験をベースにお金に関する書籍を出版しています。

お金という共通の話題を、異なる視点からお互いに語ることで、新たな価値が提供できるのではないか。幸い、とある出版社から2人でトークイベントというお話を頂き、調整を開始しました。3月下旬に開催できそうです。

すでに投資をしている中上級者の方や、大きな資産を形成した富裕層の方だけではなく、大きな可能性を秘めた子供たちやお金に興味や知識のない方に向けたコンテンツを探してみようと思います。

信長さんの本の裏表紙に書いてある通り、お金の達人になれば人生の達人に近づくことができます。お金がすべてではありませんが、人生を彩るための重要な黒子です。

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※内藤忍、及び株式会社資産デザイン研究所、株式会社資産デザイン・ソリューションズは、国内外の不動産、実物資産のご紹介、資産配分などの投資アドバイスは行いますが、金融商品の個別銘柄の勧誘・推奨などの投資助言行為は一切行っておりません。また、投資の最終判断はご自身の責任でお願いいたします。


編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2018年1月27日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

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資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。