安倍総理は、結構饒舌である。
それなりに纏まっているし、如何にも誠実に答弁しているように聞こえるような工夫をされている。
弁舌爽やかというほどの能弁家や雄弁家ではないが、演説が下手だということもないし、粗野だということもない。
中身のないことをよく滔々と喋れるな、と思うこともあるくらいだから、弁舌家としてはそこそこの水準を行っているのだろう。
しかし、心には響かない。
かつては人の心に響くような物言いをされていたのかも知れないが、今はその言葉に信を置くことは出来ない。
巧妙に論点外しをしており、聞かれたことにまともに答えていない。
官僚のご飯論法が話題になったことがあるが、安倍総理の場合は、多言を弄して肝腎なことは何も答えない、というところがある。
来年の参議院選挙で安倍総理が街頭に立っても、わざわざ安倍総理の街頭演説を聞きにくる人は少ないだろうと思う。
権力はあっても、その言葉にはかつてほどの力はない。
まあ、現状維持を望む人が多そうな自民党の支持層にとってはそれなりの存在感はあるだろうが、言葉の力で聴衆の心をグッと掴むような力は今は持っておられない、と言うべきだろう。
今は野党に魅力がないから、自民党に支持が寄せられているだけで、スターが現れればあっという間にそちらの方に支持が流れていく。
小泉進次郎氏が若手を集めて決起すれば、あっという間に世の中の流れは変わる。
そう、思っておかれることである。
いつかは、バトンタッチしなければならない時が来る。
その時がいつ来るか、ご本人には分からないだけである。
まあ、くれぐれも晩節を汚されませんように…。
編集部より:この記事は、弁護士・元衆議院議員、早川忠孝氏のブログ 2018年6月24日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は早川氏の公式ブログ「早川忠孝の一念発起・日々新たに」をご覧ください。