東京オリンピックのエンブレムの類似問題でクレームがついたのに続き、今度はグーグルの創始者ラリー・ペイジがグーグルの持株会社として設立する新会社の社名「アルファベット」がBMWの法人向けリース事業を展開している子会社「アルファベット」と同名だったので波紋が広がっているとか。日経の記事タイトルがなかなか皮肉たっぷりです。
「ググる」の忘れた? グーグル持ち株会社名にBMW「待った」:日本経済新聞
BMWが、さっそくこの新会社の社名が商標権を侵害していないかどうかの調査に乗り出したといいますが、持ち株会社の社名であり、重なっている事業もないので問題はないはずです。グーグルは、検索広告で得た利益で、夢を追うというか、クレージーな研究開発をひたすら続けているGoogleXに資金をつぎ込んでいますが、それも独立させ、事業化を促したいのでしょう。
Googleの謎の秘密研究機関「Google X」の真実、その裏側に迫る – GIGAZINE
ラリー・ペイジが発表した告知の文章のなかの「,(カンマ)」の一箇所に、米HBOのシリコンバレーが舞台になっているドラマに登場する架空の新興企業Hooliへのリンクが埋め込まれているのは、ちょっと記事を見ない限り気がつきませんが、なかなかおしゃれなジョークです。
ラリー・ペイジCEO、Alphabet発表文に小さないたずら(架空企業へのリンク) – ITmedia ニュース
もし、お暇ならどこに仕掛けてあるのかをチェックしてみてください。
Alphabet
うまく見つけることができればこちらに飛んでいきます。
さて、五輪エンブレムのほうですが、あの森喜朗さんが、今回の競技場の件で責任を感じ、即刻引退されると思いきや、またしゃしゃりでてきて「(佐野さんが)自分で考えたオリジナルであると言っており、われわれも同意している。絶対の自信を持って使っていく」と。好きなんですかね、本能なんでしょうかねえ。日本を「神の国」と妄想している森喜朗さんに「絶対自信ある」といわれてもどうなんでしょうか。
森会長「絶対の自信ある」=エンブレム酷似の問題で―東京五輪 (時事通信) – Yahoo!ニュース
しかしまあ、 ネットは集合知の凄さとでもいうのでしょうか、これほどよくもまあ詳しく情報が集まると感心するほど、佐野研二郎さんの過去の作品に問題があると疑われるものが次々に掘り出されてきています。最初は佐野さんを強く擁護し、むしろバッシングする人たちを非難していたデザイン関係者もトーンダウンしてしまったとか。
【悲報】佐野研二郎を擁護していたデザイナーが掌返しをスタートwwwww : モナニュース
デザインは、なにかの図形を組み合わせ、レイアウトして作品にするという世界と、オリジナルな図形をつくりだす、つまり造形の世界があります。わかるのは佐野研二郎さんはまったく前者のタイプです。 直感のノリでレイアウトしてしまうのでしょう。
普通は、組み合わせるのに使う図形は、写真にしても、イラストにしても、それなりに重要な用途の場合なら文字も、それぞれのプロにつくってもらい、オリジナルな要素を組み合わせますが、予算がないとフリー素材とかを使います。勝手にネットから拾ってくるというのは道義上も、デザイナーの尊厳から言っても普通はありえません。
いずれにしても、そういった視点でもチェックし、プロのプロデューサーなら、これなら類似がでる可能性がほとんどないだろうと確信したものしか選びません。つまり審査の側に問題があったということでしょう。
舞台裏は知りませんが、デザイナーである佐野研二郎さんにはそんな専門知識もあるとは考えづらく、このデザインいいでしょう、最高だと無邪気に自信をもって応募し、やはりデザイナーのお仲間が選んでくれたという感じでしょうか。
審査委員としてデザイナーだけでなく、こういったシンボルマークの選び方について、もっと経験と知見をもった適切なプロがはいっていたら、あのデザインの採用はリスキーすぎてなかったはずです。
お気の毒に佐野研二郎さんの信用はガタ落ちで、この先が大変そうです。それにしても放射能で死ぬ、死ぬと騒ぎ立てていた武田邦彦氏が、なにゆえかこの五輪エンブレムにからんで毒舌をはいていらっしゃるようです。いっそ森喜朗さんと激論対決でもしていただければ面白いかもしれません。
佐野研二郎氏の五輪エンブレム 大学教授の武田邦彦氏が痛烈に批判 – ライブドアニュース