ジェネリック医薬品を拒否する患者は全額自己負担にせよ --- 鈴木 智詞

寄稿

時すでに遅し。国民医療費はとっくの昔に破綻している。

なぜならば、診療報酬や調剤報酬、介護報酬の減額政策で、病院やクリニック、介護施設、そして調剤薬局が儲からなくなっているからと僕は思う。

高齢化社会なのに…病院・福祉施設が“大倒産時代”突入 報酬改定と人手不足で激震 – SankeiBiz(サンケイビズ)

上記の記事から解るように、医療崩壊は現在進行形であり、それでも忍容している医療機関などは、医療者の献身的なボランティア精神で保っているようなものだと僕は考える。

ある人は言うだろう。「医療従事者は患者のために献身せよ」と。

だがしかし、医療従事者のほとんどは自活するためにその職業を選んでおり、日本の医療における挺身隊でも無ければ、聖人君子の集合体ではない。

日本の医療崩壊が見える化していないのは、それでも肉体や精神を酷使して働く医療従事者がいるからではないだろうか。

僕はそんな事実を美化するつもりは無いし、患者側に当る日本国民が、国民医療費削減のために積極的な動きをしてもらいと思う。

そのような生活習慣をなくして、日本の社会保障費を埋める、消費税増税を反対して欲しくないし、国民の社会保険料が値上がりするからといって、医療業界が潤うだなんて、勘違いしてもらいたくもない。

今回の記事で調剤薬局で働く僕が、国民医療費削減の目的で、現在の医療制度へ提案したいのが今回のタイトルなのです。

正当な理由をなくしてジェネリック医薬品を拒否する患者は、調剤薬局での窓口負担額を全額自己負担にしてはどうだろうか。

少し専門的な話になるが、医療成分としての特許が切れた医薬品は、ジェネリック医薬品として、ある一定の試験を通過すれば、医療用医薬品として厚労省から認定される。

ジェネリック医薬品が胃で消化されることを想定した溶出試験。そして、人体での医療成分の血液中の濃度を調べる生物学的同等性試験をクリアしたのなら、ジェネリック医薬品としての販売認可を厚労省から得られるのである。

しかし、特許が切れた医薬品とジェネリック医薬品とは添加物が異なり、これら二つの試験では、80〜120%の差異であるならとの条件付きなのです。

ですからジェネリック医薬品を服用して、薬が効きすぎる、または効かない事は実際にあります。

けれども、ジェネリック医薬品による薬害が無いなら、ジェネリックで良いのではないでしょうか。

感情的な判断でジェネリック医薬品を毛嫌いするなら、調剤薬局での窓口負担を全額自己負担にすれば、国民医療費を消費することなく、何も問題が無いと僕は思います。

僕から提案する国民医療費の削減政策として、一つの方策を書きました。

鈴木 智詞
調剤薬局、ドラッグストア、そして病院の薬剤師を経て、現在は調剤薬局の店長。