平成30年(2018年)第2回定例会に付託された「陳情30第20号の1の平成30年第3回定例会中の議決を求めることに関する陳情」が昨日東京都議会厚生委員会で審査されました。なぜ、こんなややこしい名前の陳情が出てきたのでしょうか(笑)。
ややこしい陳情名のねらい
陳情30第20号「児童虐待及び虐待死の根絶に関する陳情」が、6月の第2回定例会中に継続審査(事実上の塩漬け棚ざらし)になってしまったことを受け、もう一度キチンと審査して「虐待情報の警視庁との全件共有」にむけて結論を出して欲しい!という声が陳情者の後藤啓二弁護士及び、多数の都民の皆様から届きました。
継続審査のままだと同種の陳情は受け付けないから議論がフリーズしたまま深まらない!この塩漬け状態を打破し、どうやったら審査再開できるのだろう…
と、チームお姐は頭をひねりました。…答えはアッサリでました。
継続審査間中は、陳情は生きているのということを逆手にとることに気づいたのです
水入りで土俵を下ろされた力士を、再び土俵に呼び戻すためには?!その妙案は、行司にもう一度呼び出しをしてもらう!!!
つまり、審議の続きをしてもらえばいいわけです。そして、せざるを得ない手続きを陳情者や都民はすればいいのです!
急ぎ、後藤弁護士へ、新たな「平成30年第3回定例会中の議決を求めることに関する陳情」を提出していただき、同時に都民へは★都議会へ厚生委員会での審査再開を求めよう!★と呼びかけをしたのでありました。
厚生委の注目の判断は?!
こうして、都民も注目の中、本日審査が行われました。
結論は、
前代未聞の継続審査のケイゾク!!!!
傍聴席から、ずり落ちるどころか、宇宙の彼方、イスカンダルかM78星雲まで一瞬にして飛んでいきましたよ、お姐は!!ハイ。
気になる厚生委員会(定数14人 現員14人)メンバーの発言は…
委員長 伊藤こういち(公)→ 発言権なし
副委員長 桐山ひとみ(都)→ 無言
和泉なおみ(共)→ 無言
理事 加藤雅之(公)→ 無言
小宮あんり(自)→ 無言
委員 古城まさお(公)→ 無言
藤田りょうこ(共)→ 質問無し。意見表明のみ
龍円あいり(都)→ 無言
鳥居こうすけ(都)→ 無言
つじの栄作(都)→ 無言
菅原直志(都)→ 無言
高橋信博(自)→ 無言
岡本こうき(都)→ 無言
鈴木章浩(自)→ 無言
というものでありました。先週金曜定例記者会見で知事が鳴り物入りで「児童相談体制の強化に向けた緊急対策」を発表したわけで、その直後初めて都議が質問をできる機会であったのに、誰も質問をせず、知事“与党”都民ファーストは沈黙に終始していたのも真に残念でした。未だ「ふるい議会は新しく」ならないようです。
共産党のみ「意見表明」したものの…、これは椅子からずり落ちました(笑)。
警視庁全件共有賛成から反対へ転じた都議会共産党
先の6月7日の陳情審査では、共産党は警察消防委員会にも付託されていた同陳情に賛成したのです。しかし突如として
全件共有を行うべきではない、この陳情は否決すべきだ。
と言い切ったのです。理由は「警察が関わると保護者が相談できなくなる」説を最もらしくご披露され、いろいろ述べていましたが、その多くは根拠も論拠も事例も示されませんでした。前回の態度表明を易々と、なかったかのように手のひらをひっくり返して、都民ファーストを始め他の会派と一緒になって反対に回ることができるその「政治姿勢」はどこからくるのか…。ゾッとしました。
お姐総括!
虐待緊急対策の盲点は、前回blog都虐待防止緊急対策と条例方針が発表されるも。でシッカリ指摘していますので、この厚生委員会の議論(してないけど)と判断と照らし合わせてください。全く安心感持てないと思います。
このグラフを見れば件数が急増しているのは一目瞭然!!!虐待情報は、4割と半数が警察に寄せられます。
以下グラフご覧ください。
「警察が関わると相談できなくなる」説がありますが、相談対応については、都においては圧倒的に警察、区市町村においても児童相談所は11%にとどまっています。この数字をみれば、大多数の通報者が警察を信頼して選んでいることがわかると思います。「警察が関わると相談できなくなる」→全件共有反対!はあまりにの安易な思い込みロジックです。
日本の庶民は、なんでも困ったら「お巡りさん」を頼りにします。町のお巡りさんに虐待情報全件共有してもらうべきです。アレコレ言って拒んでいてはまた上記グラフ件数では、縦割り行政で零れ落ちるに決まってます。
約7割の7000件は共有するということですが、ここまでやるなら全件共有したほうが作業的にも楽なハズ!今すぐできることを!
編集部より:この記事は東京都議会議員、上田令子氏(江戸川区選出、かがやけ Tokyo)のブログ2018年9月18日の記事より転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方は上田氏の公式ブログ「お姐が行く!」をご覧ください。