なぜ野党は「軽減税率反対」でまとまれないのか


Vlogでも紹介したように、山田太郎参議院議員は、いま国会の予算委員会で「有害図書」の問題を追及している。なぜ予算委員会で有害図書なのかというと、菅官房長官が去年12月の田原さんの番組で、軽減税率の対象について「例えばポルノ雑誌とか、そういうものが全部入ってしまうのです。ですから、そういうものの線引きを、これは是非、業界の皆さんの中で決めていただく」と発言したからだ。

今は軽減対象は「宅配の新聞」ということになっているが、有害図書を指定するということは、この対象が本や雑誌にも広がる可能性を示している。しかも「有害」の基準は、業界の自主規制で決めるという。現実には不可能だと思うが、菅氏はまだあきらめていないようだ。

そもそも「酒類を除く食料品」とそうでないものを区分するのも、誰がやるのか。普通のスーパーでも数万品目の商品があるのに、それをすべて税務署員が分別するのか。これも「自主規制」でやるとなると、業界団体が1兆円の財源を左右することになり、租税法律主義に反する。

ところが民主と維新は共同で、去年成立した安保関連法を廃止する「安保廃止法」を出すという。こんな法律が可決される可能性はゼロだが、これぐらいしかまとまる対抗軸がないのだろう。軽減税率について民主は意見を集約できず、山田氏や松田公太氏などが反対しているだけだ。

消費税の引き上げは、民主党政権のときの三党合意で決まったものだが、そのとき合意事項にあった「総合合算制度」も「給付付き税額控除」も無視されている。貧しい人の「痛税感」を減らすという公明党のポピュリズムに、野党も反対できないのだ。

こんな小さなことでもまとまれないで、無意味な「安保反対」を連呼する野党なんか、存在する価値がない。夏にダブル選挙で与党が圧勝して、今の野党を「ガラガラポン」するしかないだろう。