維新ならNHKをもっと賢く“ぶっ壊す”

柳ヶ瀬 裕文

こんにちは。やながせ裕文@参院選比例区です。

選挙戦に入りちょうど1週間が経ちました。支持政党のない有権者のかたがたが投票先を決めるのは終盤にかけてというのが一般的な傾向と言われます。しがらみのない私たち維新の候補者にとってはここからが本当の勝負。私、やながせ裕文と、東京選挙区から立候補中のおときた駿さんにお力添えをよろしくお願いします。

NHK渋谷放送センター(編集部撮影)

さて、NHKの問題は某政治団体の選挙活動が注目されるなど、世の中の関心が急速に高まっていることは、私も春の統一地方選挙の現場にいて実感していたところです。

あまり話題になっておりませんが(苦笑)、日本維新の会としてもこの参院選のマニフェストの「規制改革・成長戦略・経済政策」のところで、NHK改革を掲げております(リンク先の3ページ目)。

“NHK改革。防災情報など公共性の高い分野は無料化し、スマホ向け無料配信アプリを導入。有料部分は放送のスクランブル化と有料配信アプリの導入。”

NHKの問題が注目されているのは、もちろん受信料制度への不信感です。現行の放送法(64条1項)では

協会の放送を受信することのできる受信設備を設置した者は、協会とその放送の受信についての契約をしなければならない。

と定めており、テレビを持っている人は受信料を支払うことが原則とされています。

税金や年金と同じく、NHK受信料も(テレビを持っていれば)事実上、国の法律に基づいて支払い義務が生じているわけですが、「NHKを見たくない」という選択肢を自由が事実上ありません。

もともとそうした不満もある中で、NHKの不祥事が重なった時期もあって不払いの世帯が増加しました。この動きにNHKは法的措置で対抗してきたわけですが、NHKの強硬策に反発し、社会的に深まった受信料制度への不信感をひたすら煽り、お騒がせする「運動」だけでは実効性のある政策にはならないと思います。

もちろん、NHKの災害時の緊急放送のその実力はまさに国民の資産とでもいうべき、頼りになるものです。私自身も、事務所や自宅にいて大きな地震があれば、すぐテレビをつけてNHKの速報を確認します。NHKの災害情報の社会的意義については、NHK嫌いの人も含めて否定する人は少ないのではないでしょうか。

NHKの公共性と国民の選択肢を両立するには、シンプルな解決策があります。それはスクランブル放送にしてしまうことです。つまり、WOWOWのような有料放送と同じく、普段は、お金を払っていない人のテレビにはNHKの番組は映らないようにする。大河ドラマやスポーツ中継のような娯楽番組は、いまの時代、国民にとって「オプション」でしかないでしょう。

ただし、報道分野はその公共性に鑑みて別格とする。特に人命や財産に関わるような緊急事態の場合は、公共性を優先してスクランブルを解除する。この方式の方がフェアでクリアではないでしょうか。

NHKのスクランブル化をめぐっては、小泉内閣で総務大臣を務めた竹中平蔵氏の私的懇談会で浮上し、2006年に規制改革・民間開放推進会議が見解を示したこともありましたが、結局、今日まで実現していません。

確かにスクランブル化が難しかったのは技術的な理由より政治的な影響の方が大きいからでしょうが、そもそもNHKの現行の受信料がなぜこの金額(地上波のみの契約で口座振替なら月額1260円)なのか、その根拠となるNHKの経営規模はどれくらいが「適正」なのか、オープンかつ正確に議論されたことはほとんどないのが実情です。(それは与党・自民党の一部議員からも指摘されていることです)。

放送法改正でNHKのインターネットの同時配信が解禁され、若者を中心にテレビ離れが進む一方、ネットフリックスなど外資の「黒船」サービスが上陸するというメディア環境の激変にあって、これからの公共放送を作り上げていく――改革の流れを作ることができるのは、しがらみのある自民党でもなく、旧態とした他の野党でもありません。私たち日本維新の会なのです。

維新の参院選マニフェストもぜひご覧ください!


柳ヶ瀬 裕文  前東京都議会議員、日本維新の会 参議院東京比例区支部長
1974年生まれ。JR東日本企画、国会議員公設秘書、大田区議会議員を経て東京都議会議員(2009年7月〜2019年3月)。都議在任中は「こども達の未来へ」をキャッチに、徹底した行革、ムダの削減、都営地下鉄と東京メトロの統合民営化、医療、教育問題などに取り組んだ。2019年参院選比例区から立候補。公式サイト、ツイッター「@yanagase_ootaku」。YouTube「やなチャン!」も好評オンエア中!