中田宏の知っトク解説、今回は雇用契約についてです。
吉本芸人の闇営業騒動で一番驚いたのは、雇用契約がないということでした。
吉本芸人の多くは個人事業主で、吉本興業の社員ではないからです。
せっかくの機会なので、雇用契約について解説します。
雇用する会社側にとっても、働く側にとっても、雇用契約書というのはなんとなく存在して当然と思っていましたが、実は雇用契約書はなくてもいいんです。違法でもありません。ただし、労働条件通知書というのは口頭ではなく、しっかりと書面で渡さなければなりません。労働条件・雇用期間・勤務場所・業務内容・労働時間・賃金・退職など労働に関する条件が記載されているのが労働条件通知書で、これは労働基準法によって交付が義務付けられています。これらが書面でしっかりと明示されていなければ、30万円以下の罰金ということになります。
もし労働条件通知書がないまま働き、求人情報と違ったり、入社時に聞いていた話と相違がある場合は、労働条件通知書がないことを理由に退職することが可能です。雇用契約書がなくても、労働条件通知書でそうしたことがちゃんと記載されていれば良いのです。雇用契約と労働条件通知書は何が違うんでしょうか。
雇用契約書は労働条件について、会社側と働く側が相互に間違いがないことを確認したもの。そして、労働条件通知書はこういう条件ですよと一方的に通知したものという違いです。労働条件通知書には書いてなくても、就業規則で会社側にとって有利なことが書いてあるというようなトラブルもあるようです。
いずれにしても、労働条件通知書を確実にもらい、確認する。そして、できれば雇用契約書を取り交わすということが良いみたいです。
編集部より:この記事は、前横浜市長、元衆議院議員の中田宏氏の公式ブログ 2019年8月30日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方はこちらをご覧ください。