森ゆうこ参議院議員は原英史氏に謝ればよい

山田 肇

この一月あまり海外の仕事が多かったが、帰国してニュースを見て驚いた。森ゆうこ参議院議員はまだ原英史氏に謝っていない!

国会中継(YouTubeより)

発端は森ゆうこ議員による質問通告の遅れである。通告をじっと待っていた官僚から批判されると、質問内容が原氏らに事前漏洩していたと開き直った。事実誤認の質問を国会で繰り返した上、ついには原氏の自宅住所を公表するプライバシー侵害まで犯した。それでも森議員は謝らない。

謝ることは政治的な敗北を意味するのだろうか。

全ての人は間違える。教員の教えることも絶対ではないし、経営者も時には判断を間違える。間違えを反省し前に進むのが人間である。謝らない政治家を貫くことは、自らは人間ではないと宣言しているようなものだ。

そもそも、なぜ官僚は森議員の質問通告を夜遅くまで待っていたのだろう。議員の質問に対して政府が間違った答弁をしたら大問題になるからだ。「官僚の無謬性」という神話がまだ残っているから、間違いが決して起きないように官僚は答弁資料の作成に深夜労働を強いられた。答弁を訂正しても当たり前というようになれば、官僚の負担は軽減される。

官僚も人間だから間違える。間違えたら反省して前に進めば良い。政治家も間違える。間違えたら反省して前に進めば良い。森ゆうこ参議院議員は素直に原英史氏に謝れば良い。これは、人間らしい議員として評価を上げる大チャンスである。

民主党政権時代の大失敗について、当時の幹部(今も幹部)が謝れば支持率も回復するだろうにと、老婆心ながら思っている。

山田 肇