上海⇔長崎港路が再開に向けて

小谷 まなぶ

 先日、長崎商工会議所で中国ビジネスセミナーを開催してきました。今、長崎県は、アジア戦略を打ち立てて、アジアビジネスに力を入れています。その中でも、一番期待が大きいイベントとして、上海⇔長崎 フェリー港路の復活です。


 新聞でも話題になっていましたが、ハウステンボスの子会社が上海⇔長崎港路の定期フェリーを運航します。5月31日付けのニュースで、以下のように報道されています。

 『 長崎県佐世保市の大型リゾート施設ハウステンボス(HTB)と同県は30日、中国・上海と長崎市を結ぶ国際フェリーの試験運航を11月初旬に1往復実施すると発表した。来年1月下旬から週1、2回の不定期便を運航し、3月下旬には週3回の定期便にする方針。
 当初は7月に就航予定だったが、東日本大震災の影響で海外観光客が激減したため、延期した。船はHTBが設立した子会社が約30億円で購入した中 古客船(全長192メートル、3万トン、最大収容人数1700人)を利用。劇場や九州の物産販売店などを設ける。片道7000~8000円台で、長崎―上 海間を約20時間で結ぶ。記者会見したHTBの沢田秀雄社長は「航路開設は日本観光の大きな一歩」と話した。
(2011年5月31日 読売新聞)』

 上海⇔長崎港路が始まれば、どんな効果があるのでしょうか?友人の中国人ともいろいろ話をしました。値段は、往復で、14000円、人民元で言えば、1000人民元です。中国国内の旅行でも、ちょっと、飛行機を使っていく旅行では、1000元以上交通費がかかります。中国の国内移動で、往復1000元という数字は、さほど高いものではありません。
 地元の上海人の友人の意見は、『1000元くらいで、往復できて、日本に行けるなら、上海の人は、時間があれば、ちょっと遊びに行くでしょうね。』と話していました。
 中国人にとって旅行の楽しみは、『食と買い物』ということです。それと、こんな意見もありました。『特別、高級』というものを中国人は、好みます。 
 上海人の特徴として、目新しいことには、すぐ飛びつく傾向があります。それを考えても、長崎行きの旅行は、人気がでると予想できます。重要なのは、初めて訪問する中国人観光客に、『食と買い物』という部分で満足させる仕組みを長崎側でつくることができるか、また、『特別、高級』という中国人の面子(メンツ)という部分で刺激できるサービスを提供できるかが、中国人観光客のリピーターを呼ぶためのポイントになると思います。

 何れにしろ、上海在住の私とって、興味深い出来事です。

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