日本経済新聞によれば、新型コロナウィルスに関する消費者意識調査で、日本人は他国に比べ「なお最悪な状態」と悲観的な見方をしている割合が一番高いという結果が出ました(図表も同紙から)。
現実を見ると、日本のコロナウィルスの感染状況は、死者で見れば中国や欧米に比べ圧倒的に少なく、厳格なロックダウンも実施されていません。にもかかわらず、悲観する人の割合が1番高くなっているのは何故でしょうか?調査のタイミングによる影響もあると思いますが、日本人のネガティブ志向が気になります。
また同じ調査で、新型コロナウィルスにより、日々の生活スタイルを変えるという人の割合も調査されていますが、これも日本が相対的に一番低い数値となっています。
日本人は生活スタイルを変えることに消極的で、現状維持バイアスが強いということです。
コロナウイルス悲観的に捉えながらも、それに柔軟に対応することに躊躇する日本という姿が見えてきます。
コロナウィルスは生命に対する脅威ですが、同時に危機に対応することで、今までの非効率な慣習を変えるチャンスでもあります。
リモートワークによる通勤ラッシュの解消、不必要な会議の削減、印鑑文化からの脱却、勤務時間ではなく実績による評価体系への移行・・・など様々なメリットを作るきっかけにできるのです。
この調査結果が本当だとすれば、ピンチを積極的に捉え、変化につなげている諸外国との格差が、広がる懸念が出てきます。
経済活動を再開する動きが進む中国や欧米とは対照的に、日本では緊急事態宣言が延長され、「コロナ自警団」のような自粛への同調圧力が強い状態が続きます。
どうやら日本人は、コロナウィルスの感染のような、危機との付き合い方が苦手なようです。
編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2020年5月9日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。