新型コロナアプリ:ココアを持ち歩こう!

中田宏チャンネル。今日は「飲み物のココアじゃないよ」って言っちゃいます。
新型コロナウイルス感染防止拡大のための接触確認アプリ「COCOA(COVID-19 Contact-Confirming Application)」が、先週18日に公表されました。

公開後のダウンロード数推移はこうなってます。
6/19 23:30  85万件
6/20 17:00 179万件
6/21 17:00 241万件
6/22 17:00 326万件
6/23 17:00 392万件
6/24 17:30 419万件
6/25 17:00 434万件

さて、このアプリの仕組みがどうなっているか簡単に説明しましょう。
あなたも私も「COCOA」をダウンロードして登録したとします。その上でBluetoothをオンにして日々の行動をします。
そして、仮に私がどこかで感染したとしましょう。どこで感染したかわからず、気付かないままで色々な場所に行ってたとします。例えばファミリーレストランのロイヤルホストで私が食事をしてたとしましょう。その時、隣の席であなたが食事をしたとします。隣席(1m以内で15分以上の接触)となると、「あなたは濃厚接触者です」と携帯に通知されます。

通知があれば「もしかしたら」と警戒できるし、仮に発熱した場合は風邪ではなく新型コロナを疑うことができます。
ただし、私が感染したという個人情報があなたに伝わることもなく、濃厚接触者となった相手が誰かということを知ることもありません。

しかし、私がアプリをダウンロードして登録しなければ駄目だし、仮にアプリを使っていても陽性になったという情報を入力しなければ意味がありません。入力については、陽性反応が出た場合に保険所から処理番号が交付されますので、その番号を入力するのであって、中田宏と入力する訳ではありません。

ダウンロードも自主判断、処理番号の入力も自主判断と全てが自主性に委ねられているわけで、要請があっても入力しない人もいるでしょう。
ですから、とにかくこのアプリはプライバシーにかなり配慮がされています。ドイツなどプライバシーに敏感な諸国の意見を取り入れて、appleとgoogleが共同開発した仕様(API)を使い、有志で集まったエンジニア集団「COVID-19 Radar Japan」が無償で開発されました。もちろん政府だけでなくアップルやグーグル、開発者も個人を特定できないという仕組みになっています。シンガポールやオーストラリア、イスラエルや韓国などでは、感染者と接触した人を政府が特定して連絡をするというアプリとはかなり違います。

来ないに越したことはありませんけれどもこれから第二波が来るとも言われています。その意味では、感染者の近くにいたかもしれないという情報が早くわかれば、自分自身も先ほど言ったように気をつけますし、家族をはじめとした周りの人にうつさないというリスクも減らすことができます。人口の6割がこのアプリを使えば、感染拡大が避けられる。逆に言えば、6割が使わないと効果がないような論調もありました。人口の6割ということはスマホ利用者の8割に当たるということでこれかなりハードルが高いです。

ITジャーナリストの星暁雄氏は「論文の柱となる主張は『接触確認(接触追跡)アプリが人口の6割程度(56%)まで普及すれば、アプリによる感染追跡と隔離『だけ』で感染拡大を防げる可能性がある』ということなのだ」と述べています。6割で感染拡大を防げる可能性があるということであってそれ以下でも自らのリスク管理には十分役立つということです。もちろん6割と言わず、登録する人が増えればそれだけ利用価値が出るということで、考えうるプライバシー配慮がかなり徹底されているからことから、ITジャーナリストの星さん自身が自分がダウンロードして登録をしたし、多くの人に「私たち一人一人がアプリを導入してその効果を実証してみることは、今の私たちにとってプラスにこそなれ、マイナスにはならない」と呼びかけています。

不具合も出ているようですが、現在は試行版で今後、7月下旬ごろまでは改良が随時されていく予定とのこと。

また星さんは呼びかけ理由の一つとして、「考え方はさまざまだろうが、次のステップとして個人の権利の制限(プライバシー侵害)に進むことになる可能性はある。その前に、個人の自由とプライバシーを最大限尊重する現状の「接触確認アプリ」の可能性を最大限引き出してみるべきだ」と、仮にこのアプリがほとんど利用されないというものだと、プライバシーを侵害する政策導入に繋がりかねないということも挙げています。

それでも、登録するもしないも本人次第。ある意味で、自粛と同じで、強制ではありません。強制力がなくても、日本では自粛で何とか封じ込めたとも言われている現状の中で、このアプリの活用も試されていると言えるでしょう。


編集部より:この記事は、前横浜市長、元衆議院議員の中田宏氏の公式ブログ 2020年6月26日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方はこちらをご覧ください。