遅きに失したコロナ対策を補う?小池知事、露出広告費の気になる内訳

上田 令子

小池都知事一期目最後の本会議が行われていた頃

「小池氏の関連団体の支払いや東京都の予算を調べたところ、PR会社とその子会社に対し、巨額の支出をしていた。」という週刊誌報道がなされていました。

それに先んじて、6月3日にお姐が行った一般質問にて、広告費について質しておりました。

遅きに失したコロナ対策巻き返しが知事がふんだんに登場する広告?

お姐「遅きに失した外出自粛を呼びかけるため小池知事が頻繁に登場する広告費は、23種類のCM作成、受注は電通、博報堂、ADKマーケティングソリューションズ。総額6億4千万。大阪では大阪城ライトアップ600万円すら倹約し広告費はかけず、北海道はゴールデンウィーク中だけ1千万円ということで、いかに都が破格の広告を打ったかがわかります。

二期目の都知事選が目前に迫る中、GRPも確認することなく早々と6億も投入し、感染拡大防止協力金支給は遅れに送れていては、都民も納得出来ますまい。コロナ禍にあえぐ都民のために一円でも節約しようと考えるのが当然なのに、選挙前に自らの宣伝、広告業界へのバラマキではないかと批判されるような巨額をどのような神経で、なぜ拠出できたのか、私にはとても理解できません。周知のためだという陳腐なご説明はいりません。この広告費は「不要不急ではない」とされる知事の価値観と正「統」性の根拠をお述べ下さい。」

知事「緊急事態措置においては、都民や事業者の方々に、徹底した外出自粛等の感染拡大防止策にご協力いただくことが極めて重要。あらゆる世代を対象に多様なメディアを活用し、適正な経費のもとで集中的に必要な情報発信を行ったもの。」(お姐注:何で自分が露出したか、その正統性については言及せず)

これまでのお姐の議論

お姐は、新型コロナウイルス感染症が深刻化するずっと前2月末からから知事の動きをロックオンしておりました。そこで、4月21日臨時会のコロナ補正予算特別委員会に締め出されたので(過去blogコロナ予算特別委締め出される。諦めず知事責任を問う)文書質問をしていたのです。(巳年はしつこい)

お姐「都民より、連日の知事のTVCM、YouTube動画等につき『都民の税金で、予算数億で大量のTV CM、タレントとコラボ、専門スタッフのYouTube撮影、お手紙等々自らの懐は一円も痛めず、徹底的に自分の名前と顔を売り込む事実上の公費を使った選挙対策、自己アピールファーストではないか?』との声が上田のもとに届きました。私も、都バス、都営地下鉄あらゆる場で、小池知事個人の広告や動画が目につき、公費をつかった選挙活動ととらえかねないのではないか、と懸念するものです。

注意喚起を促すのであれば、現場の医療従事者、奮迅する職員や専門家が心に訴えかけるはずですし、露骨なまでに知事ばかりが露出する必要性を感じません。つきましては、まず、感染防止の呼びかけにおける基本的な考え方と決定に至るまでの経緯、新型コロナウイルス感染防止対応について小池知事が登場する、これらすべての広告等の費用につき項目、支払い先も含めご説明下さい。」

生活文化局「〇新型コロナウイルス感染症の拡大防止には、都民への積極的な情報提供が重要です。

〇特に緊急事態宣言が出された直後は、徹底した外出自粛の要請など、知事自身が直接強いメッセージを都民の皆様に至急お伝えし、ご理解、ご協力いただく必要があったことから、テレビ・ラジオCMなどを通じて、直接メッセージを発信することとしました。

〇その後、大型連休に向けては、各世代に支持される著名人を活用し、若者から高齢者まで幅広い層を対象に広報を行うことにしました。

テレビCMは広告代理店3社、ラジオCMは広告代理店2社と当初の緊急事態措置等期間5月6日まで、ウェブ広告は広告代理店1社と5月20日まで契約しており、経費は、テレビ・ラジオCMの電波料で5.7億円、ウェブ広告で0.7億円となっています。なお、テレビ・ラジオCMの制作費は5社で450万円です。」

お姐「 TVCMや都の広報番組では『東京都知事の小池百合子です』と冒頭で述べ、「小池百合子」という字幕が同一画面に2か所も表示されるなど、知事の個人名が再三、強調されていますが、その必要があるのか、単に『東京都からのお知らせ(お願い)です。』と述べれば十分ではないか知事のご所見を求めます。」

生活文化局「〇新型コロナウイルス感染症の拡大防止には、都民への積極的な情報提供が重要です。

〇特に緊急事態宣言が出された直後は、徹底した外出自粛の要請など、知事自身が直接強いメッセージを都民の皆様に至急お伝えし、ご理解、ご協力いただく必要があったことから、テレビ・ラジオCMなどを通じて、直接メッセージを発信することとしました。

〇なお、ご指摘の表示に関しては、聴覚に障害をお持ちの方にもご理解いただくため発言内容をテロップで表示していたことから、一時的に2か所に表示がなされたものです。」
(お姐超訳:言われたとおりにやっただけです!)

お姐「本年7月5日には知事選挙が予定されていますが、先の回答のような様態(お姐超訳:選挙前に税金使った自己PRと都民に疑われてもしかたのない都政広告)につき、公職選挙法等選挙関係法規上の留意点はないか、都選挙管理委員会の見解をお示し下さい。」

選挙管理委員会事務局「公職選挙法上の選挙運動とは、「特定の選挙について、特定の候補者の当選を目的として、投票を得又は得させるために直接又は間接に必要かつ有利な行為」とされています。

個別具体の行為が公職選挙法に違反するかどうかは、選挙管理委員会としてはお答えできる立場にありませんが、一般的に、地方自治体の長が行政の施策や事業を周知するために行うPRについては、選挙運動に該当しないと考えられます。」

(お姐注:行政の施策や事業の周知だったのか?知事自身の広告と受け取られかねないあまりのロゆつの多さについてはどうだったのか?というところは「お答えできる立場」にないとゆるっと避けているというのは、逆説的には全く問題ないという風にも思ってないようにとられる、お役所言葉)

お姐「昨今(3月中旬)、知事は安倍首相や政府・与党幹部と会合を持っていると報じられ、知事選挙に語られたともいわれておりますが、本年になってからの会合の頻度と内容、新型コロナ対策と知事選挙どちらに力点が置かれていたのかにつき、都民の疑念と不安をとく観点から、説明責任を果たして下さい」

知事「新型コロナウイルス感染症の早期収束を図るべく、この間、安倍総理をはじめ、政府及び国政与党幹部と面会。具体的には、都の対応状況の報告、国による水際対策の徹底や財政支援等を求める緊急要望、感染拡大防止対策をさらに強化するための協議などを実施。引き続き国と緊密に連携しながら、見えざる敵に打ち勝つための対策を最優先として、迅速かつ効果的に推進。」
(お姐注:頻繁に総理に会っていながら東京都版緊急事態宣言などの協力要請も独自対策もせず、3月23日にオリパラ延期が決まってから、バンバン都民の税金で自身がふんだんに登場する広告を打ち始めるメンタリティが理解不能です。ちなみに、)

丁度この頃知事の広告費について9億円血税を投入したのではという週刊誌報道もなされており、お姐も上田令子チャンネルで指摘と問題提起していました。

今回blogがその回答でございます。

これら指摘が功を奏したのか? 知事のテレビ露出は「緊急事態措置等期間5月6日まで」でピタリと辞めて頂くにいたりました。

注目の広告会社別内訳は!やはりあの大手代理店

このような押したり引いたり、質疑したり、発信したりする間、会社別の内訳がなかなかでてこなかったわけですが、その後無事入手しましたので、お示しさせて頂きたいと思います!

【テレビCM・ラジオCMの電波料】
・株式会社電通(テレビ・ラジオCM)2.8億円
・株式会社博報堂(テレビ・ラジオCM)2.8億円
・株式会社ADKマーケティングソリューションズ(テレビCM)30万円
※電通、博報堂については、テレビ・ラジオCMとして一括で契約しています。

【テレビ・ラジオCMの制作費】
・株式会社電通90万円
・株式会社博報堂60万円
・株式会社ADKマーケティングソリューションズ60万円
・株式会社キッズ180万円
・株式会社文化工房50万円

【ウエブ広告】
・株式会社アドフロンテ0.7億円

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今政府においても持続化給付金の対応のありかたにつき、問題になっている企業がありましたね…

電通、給付金事業で外注重ね利益 経産省が委託先に10%の管理費認める独自ルール (東京新聞)

またお支払いが遅れてご迷惑をおかけしている、東京都感染拡大防止協力金において都が委託しているのは博報堂となっております。人のお金、税金となるとどうしても「中抜き」と都民に指摘されても仕方のないことも発生、それ以前に都知事選を前にしたプロパガンダ広告ではないかと都民に疑われかねない広告費の拠出がなされたりするのであります。

言ってなかった「外出自粛」要請がなぜか入った知事答弁に喝!

後手に回った対応に焦った知事が広告を頼りにして巻き返したのではないかとお姐は思ってたからこちらも質してました

お姐「これまで、知事が何に忖度し、3月23日まで「緊急事態宣言」を政府に要請せず、自ら独自決断もせず、対策・対処の先延ばしをしてきたのか、本日時点で感染者は3千人を超えて、医療体制も危機的状況目前となっている現状についての行政責任・政治責任・都民に対するあらゆる責任を感じていないのか知事のご所見を伺います。」

こちらの答弁は

知事「国は、4月7日、現在の状況が、国民の生命等に著しく重大な被害を与えるおそれがあり、かつ、急速なまん延により国民生活等に甚大な影響を及ぼすおそれがある事態が発生したとして、新型インフルエンザ等対策特別措置法に基づき、緊急事態宣言を行ったと認識。都は、国の緊急事態宣言を待たず、スピード感を持って、都内における感染拡大の状況に対応」

という通り一遍的官僚答弁になりましたが、最初担当部署が送ってきた答弁には

「具体的には、都主催のイベントの中止・延期、都民利用施設における休園・休館のほか、都民に対しては、咳エチケットなど基本的な感染症対策の実施や3密回避の呼び掛け、不要不急の外出自粛を要請

というものがあり、絶対に3月23日前は、3月20日の三連休の時ですらも大阪や北海道と違い「外出自粛」の要請はしていなかった確信がロックオンお姐はあったので「Twitterや記者会見など、3月23日前に外出自粛要請したエビデンスの明示」をお願いしたこところ、結局探せなかったのか、この部分は答弁から落とされることになりました。

するっと虚偽が真実・事実にさせられる瞬間ではなかったか…。気づいて良かったです。

お姐総括!

ちなみに、週刊誌報道で知事の関連団体や東京都に巨額の支出がなされたとされるV社とのコロナ対策にかかる契約については、生活文化局(広報広聴部)では、契約の実績はなかったことは確認しておりますが、他の部署ではまだ確認をしておりませんので、これもロックオンしてまいる所存です!!

このほかにも、税の無駄、不正癒着天下り、福祉から教育と常にロックオン事案を同時並行に進めてるマルチタスクお姐に今後もご期待下さい!

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自由を守る会代表 上田令子チャンネル


編集部より:この記事は東京都議会議員、上田令子氏(江戸川区選出)のブログ2020年6月26日の記事より転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方は上田氏の公式ブログ「お姐が行く!」をご覧ください。