夫より優秀な妻との結婚がうまくいかない原因は「男のプライド」

黒坂岳央(くろさか たけを)です。
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うちの家は「夫(筆者)」より「妻」の方が優秀だ。筆者自身は人様に自慢できる才能などは持ち合わせていないが、奥さんは優秀だと思う。学歴、論理的思考、稼ぐ力、常識などあらゆる面で筆者はかなわない。

こんなことをいうと「夫の自分が格下、なんで自分で言っていて恥ずかしくないのかw」などと声が飛んできそうだ。でもいい。自分はプライドなんて持っていない。事実を本音で述べていきたい。

今回話を進めたいのが、世間で割と聞く「夫の方が優秀でないとうまくいかない」の原因は、男のプライドなんじゃないか?ということだ。そう。男性側が余計なプライドを持たなければうまくいくと思う。実体験で得た知見を書いておきたい。

妻の方が仕事ができる場合、家庭で起きる変化

経済学には「比較優位」という概念がある。簡単にいえば「得意なことを得意な人が集中的にして、作業を分業化することが効率面で良い」とされる考え方だ。家庭内の話でいえば、夫は仕事に集中し、妻は子育てや家事に集中する分業をする、ということである。

最近は稼げる男性も従来に比べて減ってきているので、夫婦共働き、夫婦共家事がスタンダードになってきた。そして例外なくうちも共働きだ。会社員ではなく、二人共自分のビジネスを持って二人で家事や子育てをしている。

「妻の方が稼ぐと、男のプライドが傷つく」という話をよく聞くが、あくまで筆者の場合はそんなことを感じた瞬間はない。むしろ「奥さんの仕事を進めるために、彼女の手を空けねば」とこちらが率先して子供の面倒を見たり、家事を引き受けることはよくある。

お互いに仕事をしていれば、相手のビジネスがうまくいくことを願うのは当然のことだと思う。

妻は共同経営者的存在になる

経営者は孤独だ。ビジネスの結果や責任はすべて自分自身にある。他者のせいにして言い訳をしても利益は変わらない。眼前に突きつけられた毅然とした数字のみが真実である。

しかし、妻が仕事ができる場合、ビジネスの相談役として機能する。自分はビジネスの活動におけるデータを収集し、それを分析して改善を続けている。その際、合点がいかない部分については、積極的に妻の意見を仰ぐことがある。第3者的な冷静な意見がきっかけで、合理的判断につながることも多く、共同経営者的存在になっている。

夫婦関係に男のプライドなんていらない

ここまで書いたとおり、配偶者が自分より優秀で、稼げることで支障が起こることはないと思う。起こるとすれば、女性側ではなく男性側のプライドが原因だろう。

この男のプライド、というのは昔からよく理解できなかったが、ビジネスをしてますます要らないと思うようになった。「男のプライド」と聞いて連想する意味合いは人によって異なるだろうが、つまるところ、

・男は泣くな
・安易に人に頼るのはダサい
・他人より優れているべきだ
・見栄を張れ
・自分の意見を曲げるな

 筆者の個人的な感覚値で言う「男のプライド」とはこのようなものである。お断りしておくが、このようなプライドを持っている人をバカにする意図は一切ない。けど、このようなプライドは結婚をして幸せな家庭を築き、ビジネスで社会やお客様に価値を提供する上で本当に必要なのだろうか?

極めて個人的な感覚値でしかないので、腹を立てずに「ああ、こういう奇矯な考え方の人もいるのね」くらいに軽く聞いてもらいたい。ぶっちゃけ、筆者にとっては男のプライドに対しては「取り扱いが面倒くさい」という印象がある。下手に怒らせると、プライドを傷つけられたと憎しみを向けられる。

実力以上に自分を大きく見せ、常に「自分は優れている」というPRに奔走するような、肩肘張った生き方は人生をハードモードにするだけでしかないと思っている。夫婦関係こそ、最も本音で語り合える関係であるべきで、プライドなんて発揮する場面はないと感じてしまう。

結論的に、結婚する妻の方が優秀であるのは悲しむべきことではないと思う。お互いに稼ぐことで経済的基盤が盤石なものとなり、ビジネスや将来の相談も現実的で合理的な相談相手になってくれる。感情的な応酬もなく、冷静な話し合いもできる。

ただひとつ、男性側が面倒なプライドを持たなければ、という条件付きなだけだ。

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ビジネスジャーナリスト
シカゴの大学へ留学し会計学を学ぶ。大学卒業後、ブルームバーグLP、セブン&アイ、コカ・コーラボトラーズジャパン勤務を経て独立。フルーツギフトのビジネスに乗り出し、「高級フルーツギフト水菓子 肥後庵」を運営。経営者や医師などエグゼクティブの顧客にも利用されている。本業の傍ら、ビジネスジャーナリストとしても情報発信中。