京丹後市とiUが協定を締結しました。

京都には海があります。北の端が日本海に面しています。丹後半島です。

その京丹後市とiU(情報経営イノベーション専門職大学)が協定を締結し、調印式を執り行いました。


京丹後市は協定のミッションとして、市内産業の活性化やICT教育の促進を掲げています。

協定の内容は、AI・ICTを活用しての、教育・文化・スポーツ・産業の振興、人材育成、まちづくり・環境・生活の向上など包括的なものです。

大学と自治体がここまでの提携を結ぶのは異例です。
具体的には、中山泰市長にiUの「超客員教授」に就任いただき、バーチャル研究室を開設、そこにiUの教員、学生、連携企業などが参加します。

観光プロモーションなど京丹後市の課題をICTを使って解決する、京丹後市の小中高校生にプログラミング学習などの遠隔授業を行う、といったアイディアが提案されています。
iUは200社の企業と連携し、学生全員に起業させる実験的な大学として4月に開学しました。

全員起業と言っても、株式会社で一攫千金ではなく、社会問題を解決する地方創生を志向する学生も多いとぼくはみています。

その第一号モデルを京丹後市と作りたい。
大学と地域が連携し、教員、学生、連携企業が参加することで、人材育成や地域プロモーションなどを進められるのではないか。

東京と地方が直結することで生み出せるものがあるだろう。

そのモデルを、全国や海外にヨコ展開できないか。

というのがぼくの思惑です。
調印は中山泰市長とiU学長のぼくが行いました。

実は中山市長とは、40年来の知り合いなのです。

大学の同じクラスで、名簿がナカムラの次がナカヤマだった、という関係で。
彼は入学早々の体力測定で、軟球を助走なしで108m投げたんです。

「硬球やったらもっと行った」

「巨人の星」に登場する巨人軍入団テストは80mで合格ですよ。

腰を抜かしました。

「天理高校で投手やっててん」

さらにビックリ。
その後大学で会うことはなかったが、霞が関で会って互いにビックリ。

彼は総務庁、ぼくは郵政省で、その後それらと自治省が合併して総務省となります。

ぼくは省庁再編の担当を終えてアカデミズムへ。彼は政治に進み、20年。

また会って、思いが一致する。奇遇な必然、です。
もちろん個人的な縁だけで成立するディールではありません。

京丹後市としては予算案件で議会も通す。

iUとしても農業・観光・ものづくり産業の潜在力や、東京と同じく海を持つ立地などを勘案しての機関決定。

ここからつながりを広げられれば。

そして、調印式には吉本興業の京丹後市住みます芸人「キャロットキャベツ」にも立ち会ってもらいました。

お二方にもプロジェクトに参加してもらい、賑やかに立ち上げたく存じます。
吉本興業は全国47都道府県に芸人を住まわせ、地域課題を「おもしろく」掘り起こしながら解決に向かうSDGs的な取組に力を入れています。

キャロットキャベツは「半農半芸」を看板にして、京丹後市で農作物を栽培、それを京都市で「おもしろく」売ったりしています。
https://profile.yoshimoto.co.jp/talent/detail?id=6216

吉本興業の大崎会長によれば、京丹後市が住みます芸人発祥の地なのだそうです。

それもご縁ですね。

地域・学校・芸人という座組を活かしてまいります。


編集部より:このブログは「中村伊知哉氏のブログ」2020年10月26日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はIchiya Nakamuraをご覧ください。