感染症の素人のマーケッターからの、再び医療崩壊をさせないためにはどうするかの提案あります

そもそもロックダウンや自粛で死者は減らない

Morsa Images/iStock

イマイチ、ピンときてない人が多いので今日は特別版。まずこちらを。最新の論文です。

Stay-at-home policy is a case of exception fallacy: an internet-based ecological study

ステイホームやロックダウンが結果として死者数を減らしたかを分析した結果

結論として、この方法論と現在のデータを使用すると、世界の87の異なる地域を使用した比較の約98%で、家にいることによって死亡者数/百万人が減少するという証拠は見つかりませんでした。治療法の地域差やウイルスの自然経過もこのパンデミックの主な要因である可能性があり、それをよりよく理解するにはさらなる研究が必要です。

ということになりました。ただ、ごくわずかな有意義と認められる1.6%の例の中に東京が入っています。ww 抽出された国はデータが公開されている欧米、東欧、南米、オセアニアだけなので、アジアでは日本と韓国しか対象になっておらず、世界からみたら死者が少なすぎて成功しているようにしか見えないのかも。

この理屈は考えてみたら当たり前で、台湾のように全くウイルスが入ってくる前に鎖国した小国ならともかく、永遠にそんなことはしていられないわけで、コロナは罹りやすい人がみんな罹るといったん収束します。当初ロックダウンしたものの、経済が死んでしまうと勝手にしようということになったインドが良い例です。


9月にいったんは勝手に収束しましたが抗体が切れたと思われ6ヶ月経過して第2波らしいものが来ています。

ところがロックダウンしてこれを抑えようとしますと

ロックダウン

家庭内感染が広がり死者が爆発

ひとおおり死んでロックダウン緩める

また感染が広がる

またロックダウン

の繰り返しになるのは自明の理です。たとえばイギリスは昨年3/24に最初のロックダウンをしましたが、そのあとどうなったかといいますと


関係なく感染はさらに拡大して、死者はこうなりました。


つまり感染が広がった後ではロックダウンしても結局は死者数は変わらないわけですね。理由は家庭内感染が広がるからです。もともと古典的な防疫の考え方では、家族で一人感染者を出した場合は全員が死んで頂くことで全体への影響を最低限にとどめるというやり方で人類はやってきました。中世のペストの時もそうだし中国でフェイクっぽい動画でしたがアパートの住民に感染者が出たので入り口を閉めて全員が死ぬまで待つ、みたいな考え方です。

しかしいまではそんなことはできないので、家庭内感染で感染者が爆発的に増えると患者は病院に送られます。そこで院内感染が爆発したりするので、結局ステイホームは感染拡大防止に本当に効果があるのかということに本来は疑問を持つべきなのですが、いわゆる専門家は「人と人との接触を減らす」という昔からの固定観念に囚われていて、そこが見えないわけですよ。

実際、東京都ででは「年末年始は家にいろ」と医師会会長や小池やテレビががなり立てたためにみんな家にいたわけで、その結果としてこれは東京都の発表しているデータですが

年末にかけて家庭内感染(青)が爆発しました

結果としてどうなったか。それがこれです。

これも東京都の発表データですが、1月4日が発症のピークでした。感染から発症までは平均4.7日なのでも間違いなく年末年始に家にいた人たちの間で爆発的に感染拡大したのです。そして罹りやすい人がみんな罹って一気に収束した。年末に家にいなければ結局は同じ数の人たちが罹患するまでは収束しないのでそのカーブはもっと緩くなり、収束には時間がもっとかかりました。

専門家はどうして「家にいろ」と強く進言してテレビでもいいまくったのか。はっきりいって

ほかになにもいうことがなかったから

としか思えないのです。普通にしてろといって感染拡大したらお前らのせいだと言われるし、とりあえず「人と人との接触を減らす」とだけ言っておけば良い気がした。深く考えていなかった。専門家の言う「人との接触」には家族が狭い空間で大声で話をしたりゲームをしたりということはすっぽりと抜け落ちていたとしか考えられません。

年末年始のステイホームが医療崩壊を結果として招いた

そもそもどうして年末にステイホームしろという指示が出たのかというと、医療崩壊させないためでしたよね。
ところが結果として


東京はそれで医療崩壊した!!

これは昨年の緊急事態宣言の時に厚労省や専門家会議が説明するために使った図です。


そもそも医療崩壊しないために緊急事態宣言は出されました。なのでいまたった20%の病床使用率で緊急事態宣言が継続していること自体が本末転倒なのですが、感染拡大の速度を緩くしてピークを低くし、逆にピークアウトまで長い時間がかかってもいいから医療崩壊させないというのが当初の目的だったはずです。

となると、ココではっきり言えるのは

感染拡大時のステイホームは医療崩壊に逆効果

ということです。どうして専門家はこんなことさえ理解できないのか。いやいや本当は理解しているけどそれを認めると「年末は家にいろ」といったことが間違いだったことを認めないといけない。だから言わないとしたらそれは卑怯だし、また同じ失敗を繰り返すことになります。

普通に常識だったことが実はそうではなかったことなんていくらでもあります。夫婦強制同姓が常識だと思っていたら世界ではなんと日本だけだったとかが良い例です。間違いを認めて前に進まないとならない。いま我々はそこにいます。

年末年始にどういう風にすればよかったのか

感染症の専門家は絶対言わないでしょうが、わたしは素人なので堂々といいます。

1 Go To はやっていてもよかった

一度でも利用したらわかりますが、旅館もホテルも家庭とは比べものにならないくらい感染防止対策が取られています。検温や消毒、大声出しての食事は御法度だし、席の間隔も広い。換気も十分。狭い部屋で家族揃ってご飯を食べるよりよほど感染しにくいわけですよ。カラオケもホテルでは御法度だから、Go Toでクラスターが出た事例など訊いたことがない。家庭内でカラオケするほうがよほど感染爆発するわけです。

2 家族をバラバラにするよう補助するべきだった

無症状、軽症のためにホテルを確保していると思いますが、同様の仕組みを年末年始にやればよかった。つまり高齢者が家族にいる場合、高齢者だけを年末年始にホテルや旅館で預かって待避させる。のんびり風呂にでもはいって美味しいものでも食べていてもらえばいいので喜んで利用するし、苦しい宿泊業界も助かります。大家族なら半数はこのようにする。遠距離の移動では意味がないので近所の空いている施設で家族が密集しないようにバラバラにして隔離すれば良いのです。それだけでピークを低くできたはず。

3 家庭内感染のリスクをもっとアピールすべきだった

首長も専門家もテレビも、とにかく感染を広げないためには家族以外の接触を断つ、みたいなことばかりしか頭が回らず、家庭内感染のリスクを全くといっていいほど説明しなかった。飲み歩いたお父さんだけ別室で年末年始は一人でいてもらえば、家庭内感染はかなり抑えられたはずです。

同じようになんのエビデンスもないのに単なる感想で「若者から高齢者にうつす」を連呼したため、いまや「若者がいなければうつされない」という間違った認知を高齢者がもってしまい、こんな馬鹿なことが起きている。

埼玉は「下げ止まりどころかリバウンド」…昼カラオケで高齢者の感染急増

<新型コロナ>カラオケ喫茶「利用控えて」 感染拡大で山口知事、呼び掛け

佐賀も埼玉もみんな高齢者の昼カラオケ。だってあれだけテレビで洗脳されたら高齢者同士ではうつらないと思い込みますって。

この間も沼田の公営温泉にいったら爺さん同士大声で「若者さえいなきゃ平気だ」と話していたし、広間では20人くらいのお婆さんたちが宴会でも盛り上がっていた。

これも最新の東京都のデータです。

高齢者のほとんどは施設内感染であり、家庭内感染の比率さえ小さい。逆に子供のほとんどは学校ではなくて家庭内で親などからうつされています。そして70代でも50〜60代と同じ程度の飲食からの感染がある。こんなことはテレビでは絶対に言わないのだが、リスクの高い人、そして感染した場合に医療崩壊につながりやすい高齢者こそ自粛して頂きたいと思う次第です。

同居の場合には、↑のように国や自治体がお金を出して宿泊施設に長期滞在してもらうのもありだと思うし、業界にもお金が落ちるのでぜひやってもらいたいと思うわけです。

とにかくいわゆる感染症の専門家は統計が分からなすぎるし、いったんミスしたことも認めない。これではまた医療崩壊しそうなときにステイホームを叫びだして感染爆発させかねない。少しは失敗から教訓を学び取って欲しいと思うし、首長もいいなりにならずに自分の頭で解決方法を考え出して欲しいと思います。とにかく責任回避だけはやめてください。


編集部より:この記事は永江一石氏のブログ「More Access,More Fun!」2021年3月13日の記事より転載させていただきました