自民党の二階俊博幹事長が8月3日の会見で、菅義偉首相の任期満了に伴う秋の自民党総裁選について「国民の間にも党内にも強い」声があるとして続投を支持した。二階幹事長は「総裁がしっかり頑張っておられるわけでありますから、総裁を代える意義は見つからない。むしろしっかり続投していただきたいという声の方が、国民の間にも党内にも強いんではないかと判断をいたしております」と発言したのである。
この二階発言については、ネット民からも強い批判が浴びせられている。私が見たところでは「幻聴が聞こえているのでしょうか?」「国民の事をなーんにもわかってない人が国民の代表的な事をしてる。 これが今の日本の政治です」などなど、その殆どが手厳しい批判であった。
ユニークな例としては、選挙でコロナ対策の審判を受けさせるために「続投を支持します」というものが存在した。「なるほど!」と膝を打ったものである。当然、その発言をした人は、自民党、菅政権に厳しい目を向けているのではあるが。
私も二階幹事長の発言に「大丈夫か?」と思うのだが、2021年7月のNHK世論調査を見ると内閣支持33%、不支持46%との結果が出ている。一方、時事通信の世論調査は支持率は29.3%、不支持は49.8%の結果であった。確かに3割程度の支持があるのは間違いはない。これを菅首相続投の「強い声」と言われたら「そうですか・・」としか言いようがない。
しかし、約5割の人々は「不支持」なのである。どちらが「強い声か」と言われたら、自ずと答えは出ているのではないか。もちろん、二階幹事長もそんな事を百も承知で強がっているだけかもしれない。または、反菅の論調や議員を牽制するために、そのような発言をしたのかもしれない。
しかし、この不支持5割の人々の声は、選挙の時に物凄い渦となり、自民党を襲うはずである。菅首相の不人気とコロナ対策のまずさを見ていたら、2009年の政権交代の時のようなことが十分起こり得ると私は考えている。国民が審判を下す日は近い。