お金から自由になるのに必要なのは「ストックからフローへのシフト」

お金と時間という2つの制約条件の中で、自分の満足度を高めていく。それが人生です。時間は自由にコントロールすることはできません。でも、お金からは自由になることが可能です。お金から自由になるとは、お金の事を考えなくて良くなることです。

metamorworks/iStick

20代から30年以上の時間をかけて資産運用の仕事をし、自分でも実践してみてわかったこと。それは、お金をたくさん持っていても、お金から自由にはなれないということです。

資産というストックがあっても、それが減ってしまうかもしれないという不安がある限り、その恐怖に怯えてお金のことを気にせざるを得ません。

逆にストックが少なくても、定期的なフローが安定してあれば、お金を使うことにためらいがなくなります。なぜなら、また翌月になれば同じフローを得ることができるからです。

お金から自由になるためには、このキャッシュフローを作ることが必須です。ストックを増やすよりも、安定したフローを作り上げることです。

1億円の金融資産を構築して、FIRE(経済的自立をして早期リタイアすること)する個人投資家の話が雑誌に掲載されていました。しかし、ストックだけでは将来の安心は得られません。いずれ、またお金に振り回されるライフスタイルに戻ってしまうことでしょう。

FIREしたいのであれば、毎月20万円、30万円といった定期収入が得られる仕組みを作ることです。

確かに、NISAやイデコのような金融資産の税制優遇の仕組みを活用した資産形成は、1日でも早く始めるべきです。

しかし、それを続けて金融資産が積み上がったとしても、それだけではいつまでたってもお金からは自由にはなれません。

金融資産は最終目標ではなく、キャッシュフローを作り出すための手段として捉える必要があります。

定期的に安定したキャッシュフローを生み出す資産は、現状の投資環境では実物資産しかありません。不動産や太陽光発電設備を保有することで、家賃や売電収入を確保する。株式相場が好調な今なら、躊躇なく金融資産を実物資産にシフトさせることが可能です。


編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2021年10月30日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

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資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。