世界的に株式市場が堅調な中で、アメリカの巨大テクノロジー企業の創業者の資産が急激に拡大しています。
象徴的なのは、テスラの創業者イーロン・マスク氏です。
日本経済新聞の記事によれば、イーロン・マスク氏の純資産は3380億ドルと天文学的な金額となり、年初来で約2倍になっています(図表も同紙から)。
ランキング上位には、アマゾンのジェフ・ベゾス氏、マイクロソフトのビル・ゲイツ氏、グーグルのラリー・ページ氏、セルゲイ・ブリン氏、メタ(フェイスブック)のマーク・ザッカーバーグ氏といったお馴染みの面々が並んでいます。
ベストテンのメンバーの中で、毛色が違うのがウォーレン・バフェット氏です。以前はトップを争っていた同氏ですが、直近では第10位までランキングを落としています。
20年以上前のITバブルの頃、ウォーレン・バフェット氏は「理解できない会社には投資をしない」と言い、IT企業への投資に消極的でした。それが、市場の変化についていけない投資家とネガティブに評価されたことがありました。
しかし、その後のITバブル崩壊によって、ウォーレン・バフェット氏の投資スタイルは再評価されることとなりました。
最近のウォーレン・バフェット氏に対する批判を見ていると、20年前の記憶が蘇ります。
確かに、90歳を超える高齢になり、投資家としてのピークは越えたのかもしれません。しかし、最近はアップルに投資をするなど、柔軟な銘柄選択手法で投資を続けています。
ウォーレンバフェット氏の投資手法を真似る事は誰にでもできることではありません。本人も個人投資家がやるべき投資は、アメリカ株のインデックス運用と語っています。
直近の運用成績は、インデックスを下回ることが増えています。それでも数十年にわたり、変化が激しいアメリカの株式市場で、極端な集中投資をして生き残ってきた伝説の投資家の能力を見くびってはいけないと思います。
編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2021年11月10日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。