好奇心こそ「点を繋ぐ化学反応」の原動力

RyanKing999/iStock

最近、とても不思議な経験をしました。

10年以上前に、足繁く通っていたレストランのホールで働いていた20代の若手スタッフがいました。真面目で知識もあって有望な若者だと思っていたのですが、海外に修行に出かけるということで、それからお会いすることはありませんでした。

ところが、1年ほど前に、青山の交差点の路上で帰国した彼に偶然再会。近くで働いていると、お店の名前を教えてもらいました。しかし、コロナ禍で行く機会のないまま、お店の存在も忘れてしまいました。

先週末にSNSで素敵なワインバーを見つけ、早速出かけてみました。入ってみると、厨房からこちらを驚いた顔で見ているシェフがいました。それは、まさに路上で教えてもらったお店だったのです。

あまりの偶然の連続に驚きましたが、海外修行ですっかり成長した彼が、厨房の責任者として素晴らしいお料理を出してくれました(画像をブログで見る)。

 

偶然が重なるのは、ご縁もありますが、好奇心が大切な役割を果たしていると思います。

新しいものは取り敢えずやってみる、興味のあることは即行動、やらないで後悔するよりやって後悔する。

そんな、行動パターンを意識的に続けているうちに、たくさんの偶然が必然に変わっていくのです。

そこで生まれたご縁が、また別のご縁を運んできて、それらがまた新しい化学反応を起こして、予想もしなかった展開を生み出す。

まさに、たくさんの点と点が結びついて、新しいつながりを作っていく。スティーブ・ジョブス氏の「connecting the dots(点を繋ぐ)」の世界です。

人生は自分の計画通りにはいきません。一方で、人生には無駄なものもありません。大切なのは、たくさんの経験(Dots)をして、その中から一見関わりのない経験を繋げていく(Connect)ことです。

勝手に活動範囲を決めつけるのではなく、何でも先入観なしに、好奇心を持って積極的に関わってみる。そこから想定しない世界が生まれていきます。

自分の中で眠っている今までの経験が、いつ新しい展開を見せるのかはわかりません。だから、次々と経験を増やし、それが化学反応を起こすのを待つのがベストな選択なのです。

 


編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2022年1月17日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

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資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。