自民党京都府連が、国政選挙前に候補者から集めた現金を、京都府議・市議に配って選挙買収が行われていたのではないかということが明るみに出ました。総額は一億円を超えるようです。
これに関して、自民党の二之湯智国家公安委員長(参議院京都選挙区)は、10日の衆院予算委員会で、「京都府連が寄付を受け、府議や京都市議に政治活動資金として配布しているという事実はその通りだ」と金銭の授受を認めました。
二之湯氏は、自由民主党京都府連の会長も歴任しています。
二之湯氏は「あくまで政党の党勢拡大に使ってくださいという趣旨で、個々の議員の選挙活動に使ってくださいということではない」という選挙に通じた人にしか分からない趣旨を発言しています。
「党勢拡大のため」という”枕詞”さえ持ち出せば、「選挙買収」は否定できるという、全く通る余地がない理屈。こういうことを国家公安委員長が、国会で言い放つこと自体が異常。参院選を控え、自民党、そして、岸田内閣は、この事態にどう対応するのだろうかhttps://t.co/JgpP2VZVJI
— 郷原信郎【長いものには巻かれない・権力と戦う弁護士】 (@nobuogohara) February 10, 2022
国家公安委員長だけに、検察の動きが注目されます。
国家公安委員長、自民京都府連の現金配布を認める 買収の意図は否定(毎日新聞)
「個々の議員の選挙活動に使ってくださいということではない」警察を統括する国家公安委員長が現金配布。捜査はどうなる。
国家を守るための組織に成り下がった検察は動かないのだろう。
https://t.co/QvUtRSkolv— あらかわ (@kazu10233147) February 10, 2022
政党助成金の問題点も指摘されます。
やっぱり原資は政党助成金。「買収」に税金が使われるって異常だよ。
「国会議員も党本部から党勢拡大のために政党交付金を交付されており、地方議員にも配付してー」二之湯国家公安委員長「京都府連への寄付 党勢拡大のため」 | NHKニュース https://t.co/ULfZ1keHX2
— たつみコータロー 前参議院議員 (@kotarotatsumi) February 10, 2022
河井案里氏の買収事件と同じスキームのようですが、他の選挙区でも行われているのではないかという疑惑も考えられます。
河井夫妻と構図は同じ。これ京都府連だけなのか。 https://t.co/pPJ2l8LBZz
— たつみコータロー 前参議院議員 (@kotarotatsumi) February 9, 2022
「現金は配ったが買収ではない」では、ずいぶんと言葉が軽くなったものです。これが通るならば、われわれ庶民も「売り上げは抜いたが脱税ではない」とか言えてしまいそうです。
二之湯氏は特定秘密保護法の参議院本会議採決で反対票を投じて「慌てて間違った」と発言したり、公設秘書が京都の不動産絡みの強盗致傷で逮捕されたりと不注意な人のようですが、今回の事件はうっかりでは済まされそうにありません。