飲食店の立地は敢えて「レッドオーシャン」を狙え!

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友人が経営している、京橋の裏通りにあったイタリアンのお店が、銀座に引っ越ししました。今まであったお店と合わせて、銀座に3店舗。いずれも経営は順調のようです。

以前のお店の場所は、ビジネスホテルの真ん前で、周辺には他にイタリアンの競合店も無く、「ブルーオーシャン」な場所に見えました。しかし、移転した新しいお店がある場所は、銀座3丁目の昭和通りの近くにあるイタリアン激戦区の通り沿い。向かいにも似たような飲食店が並んでいて、周辺にもイタリアンのお店だらけです。

しかし、友人に話を聞くと、競合店の多い、一見「レッドオーシャン」に見える今の場所の方が、以前よりも圧倒的に集客力は高いというのです。

ランチタイムになると、この細いイタリアン激戦区の通りに、周辺の会社で仕事をしているビジネスパーソンが大挙してやってきます。最初からどのお店に行くのかを決めている人もいれば、何となく賑やかな通りにフラッとやってきて、通りがかりで気に入ったお店に入るという人も多いのです。

これだけのたくさんのお店があるにも関わらず、ほとんどのお店は満席。競合店が多いことで、選択肢が広がって、取り合えずやってくる人がたくさんいるので、集客力の極めて高いエリアになっているのです。雑誌などでも銀座のイタリアンのコストパフォーマンスの高いお店が集中するエリアということで注目されています。

最近、SHINOBY`S BAR 銀座をやっているせいで、飲食店の経営をはじめたいと、未経験者から相談を受けることが多くなりました。その時にいつも強調することは「人通りの多い場所を選びなさい」ということです。家賃が安いとか、自宅から近いという理由で郊外の住宅地にお店を開くことを考えている人もいますが、私の意見は「郊外より都心」です。

郊外なら家賃は安く、競合も少ないかもしれませんが、その分お客さんの対象になる人の数も少なく、客単価も都心よりはグッと低くなります。お客さんの数が少なくなれば、万人受けするエッジの効かないメニュを導入せざるを得ず、店の魅力が減退するというネガティブスパイラスに陥ってしまいます。

移転したお店の向かいにある深夜までやっている3号店で、ワインとイカスミのライスコロッケ(写真)を楽しみましたが、店内は相変わらず大勢のお客様で盛り上がっていました。

仕事ではいつも自分の「ブルーオーシャン」を探して競争しないことを心がけていますが、店舗の立地に関しては「レッドオーシャン」を選ぶことに成功のカギがあると思っています。

こちらのお店は明日の資産デザイン研究所メール「グルメ設計塾」でご紹介する予定です。

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※内藤忍、及び株式会社資産デザイン研究所をはじめとする関連会社は、資産配分などの投資アドバイスは行いますが、金融商品の個別銘柄の勧誘・推奨などの投資助言行為は一切行っておりません。


編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2016年4月21日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

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資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。