東京都で教員不足のために82歳の非常勤講師が給料もちゃんともらえずに働いているという記事が話題になっています。文科省の調査では全国で約2000人の教員不足が報告されているそうです。
都内の小学校に非常勤講師として勤務する女性は今年で82歳で、給与は週7時間の担当授業分をもらっているだけで、それ以外に引き受けた授業時間分は無給だそうです。
なんでこんなことになってしまうのでしょうか。
文科省の奮闘する方向性が間違っていたという指摘があります。
>教員の過酷な労働実態が広く知れ渡ったことを受け、文科省や大学、教育委員会は教職の魅力を伝えようと奮闘してきた。
奮闘(笑)「82歳の講師」が教壇に立つ深刻すぎる教員不足、教員の自己犠牲で成り立つ公立学校は崩壊寸前https://t.co/KeGXWTyyYW
— ほりまち (@hori_machi) July 18, 2022
膨大になった業務の整理をしっかり行うべきという指摘もあります。
『休職者が増えると残った教員の業務負担が増え、心身ともに疲弊した教員の休職がさらに増えるというドミノ倒しが起きかねない。』はすでに起きているというのが実感です。難しくても業務の整理、削減が急務のように感じています。
https://t.co/zIqHotYjXt #東洋経済オンライン @Toyokeizaiより
— 大石智 (@SATORUOI) July 18, 2022
教員の就業は、一部の業務以外はすべて自主的にやっているという立て前になっているので、残念ながら残業代は出ません。
文部科学省の試算だと『実際の教員の働き通りに残業代を支払うと年間に約9千億円必要』とのことなので、日本の学校教育は教員の約1兆円弱のサービス残業によって成り立っています。その薄給激務で過酷な労働環境を改善せずに『教員不足深刻だから潜在教員を活用しよう』としても、人材は集まりません。
— Childish Teacher (@TeacherChildish) July 13, 2022
現場の先生らしき人からは、いくら人手不足でも人を選んでほしいという懇願も。
今日も朝から怒りが収ません!
教員不足だからといって
何でもかんでも送りこまないで!未経験者は、せめて試用期間を設けて教育委員会で研修してから!
管理職は自分が授業したくないから
誰でもいいから早くよこせと
市教委をせっついて来た人が 社会不適合者って
どう思う?
— akomik (@6gdlW6r46FIuR3G) July 16, 2022
正規の教員ですら、人を集めるのがかなり困難になってきているようです。まだ一次試験ですが。
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一方で、82歳の講師の先生が働く東京都の小学校の学級数は、20,316学級(令和3年度)になります。これは特別支援級を合わせた数です。(表4-2)
一方、東京都の小学校の教員数は30,436人(令和3年度)となっています。これは、主幹教諭、指導教諭、教諭を合わせた担任にあたる人の数で、校長や養護教諭、もちろん時間講師は入っていません。教員数は年々増え続けています。(表4-5)
音楽や図工など学級を持たない先生や、産育休の先生がいるとしても、この人員でなぜまっさきに担任の先生が足りなくなるのか、教育委員会は納税者に対して説明が必要だと思われます。
非常勤講師の先生や一部の先生の善意に頼った運営はやめて、教育委員会がしっかりとした人事体系を作り、管理職がきっちりと労務管理をすることが喫緊の課題となっています。