ル・グラン・コントロール(ヴェルサイユ)

”ル・グラン・コントロール”で夢見心地のランチ♪

ヴェルサイユ宮殿に隣接する、レ・ゼレル系超高級ホテル”ル・グラン•コントロール”。

レ・ゼレルは、クーシュヴェルのを昔行ったことがあって、まさに痒いところにまで手が届くホスピタリティの見事さに感動したのを、今も鮮明に覚えてる。

食部門は、アラン・デュカスが手掛けてる。ムッシュ・デュカスは、宮殿内のレストランを手がけていて敷地内に菜園も持っていて、ヴェルサイユ宮殿とのつながりが深い。

ルイ14世時代のコスチュームに身を包むスタッフたちに迎えられ、優美なサロンを抜けてテラスへ。

雲一つない底抜けに青い空と太陽を眺めながら、程よく冷えたドン・ペリニヨン12で乾杯。お誕生日おめでとう、お友達!

コンテの芳醇な香りと香ばしいシリアルが溶け合うグジェールや、ジューシーで香り高いキノコの味噌ソースなど、香り高く風味豊かなアミューズをつまんだ後、オマール&とうもろこしの小さな一皿。好き~!

毎週、このワインとこの一皿をいただきたい♪

前菜は、味の濃い野菜をたっぷり使ったシリアルタルト。卵のコンフィがカラスミ的なコクを添える。

野菜料理といえばアラン・パサールが有名だけれど、アランと並んでムッシュ・デュカスは野菜の達人だと思う。ADPAでも、素晴らしい野菜のクリエーションをしてくれていた。

器、かわいいなぁ。ルイ・フィリップ時代の王宮の食器デザインを復刻させてリモージュで作っているそう。ムッシュ・デュカスの器のセンスは、どのレストランでもピッカピカ。

魚は、マトウダイにグリーンピース&シュクリーヌレタス。濃厚なグリーンピース&ソース、しびれる。ソースに、フランス料理の力を感じる。

フランスのサヴォワール・フェールがぎっしり詰まったエレガントなテーブルアートや食器類、付かず離れずプロフェッショナルで完璧なサーヴィス、シックなゲストたち。

レストランって劇場空間だと昔から思っているけれど、その最高の形がここにある。久しぶり、この心地よさ。

マトウダイまでつきあってくれたドン・ペリニヨンにさよならし、サン=ジュリアンのシャトー・レオヴィル・ポワフェレ05にこんにちは。い~い感じで熟成されててうっとり。

この素敵なワインに合わせる料理は、キュロイゼル鶏のロティ&グリル野菜&燻製ナス。フランスでは、鶏は胸が腿より高級とされているけれど、やっぱり腿がいいよね、と友人と合意。

フランボワーズ&黒オリーヴ&オリーヴオイルで口の中をさっぱりさせた後、ヴァニラの一皿。マダガスカルとメキシコのヴァニラを使った、ムース、クレームブリュレ、アイスクリーム(もう一つ何かあったかも)と、極薄のアルレット。ヴァニラのおいしさが強烈に詰まった、見事なデセールにため息。この器もほしい♪

もう一度お友達に”お誕生日おめでとう!”して、3時間にわたる極上ランチタイムとさようなら。

テラスの塀に身を乗り出すと、すぐ下に広大なバラ園が広がっている。普段はバラ園に降りられるのだけれど、今日はヴェルサイユ宮殿でマクロン大統領主催の国際イベントが開催中なので(宮殿周りもホテル周りも、パトカー&警官たくさん)立ち入り禁止。

その横の建物の裏手に、ムッシュ・デュカスのハーブ園があるそう。ちらっと見える。

ディナーサロンも覗き(かつての貴族の館の食堂って、こんな感じだったのでしょうね)、中庭やサロンの装飾にため息ついて(眼福)、名残を惜しみながら、ル・グラン・コントロールとさようなら。

素晴らしい夢時間をありがとう。こんなレストランがあるから、ガストロノミーはやめられない。いつか、ディナーや宿泊もできたらいいなぁ♪


編集部より:この記事は加納雪乃さんのブログ「パリのおいしい日々4」2022年7月13日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は「パリのおいしい日々4」をご覧ください。