子供を勉強させる簡単な方法

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「あなたは勉強が好きか?」

と問われて「好きだ」と答える人は滅多にいない。

趣味でやっている学問であれば好きな人はたくさんいるだろう。しかし、受験勉強となると好きな人は滅多にいない(と思う)。

なぜなら、受験勉強の場合は自分の苦手科目も勉強しなければならないし、数字や語句を一生懸命暗記しなければならないという苦痛が伴うからだ。

このように、ほとんどの人が勉強を苦手であるにも関わらず、

「ウチの息子(娘)が勉強嫌いで困っている」

と、自分のことを棚に上げて愚痴ることが多々ある。

大多数の人が勉強嫌いなのだから、自分の子供を勉強好きにさせようというのは土台無理な話だ(例外はあるかもしれないが)。塾や学校の宿題をきちんとこなしてくれれば十分だと割り切ろう。

娘が小学生低学年の頃、ほんの短時間でも机にじっと座っていることができなかった。当然、宿題など手に付かない。

やむを得ず私は、娘の後ろに椅子を持ってきて、

「宿題が終わるまでは、一切話をしない」

と言って、経済学の本や英字新聞を読んでいた。

最初の頃はあれこれ話しかけてきたが、「終わるまで禁止」の一言。やむなく娘は宿題に取り組まざるを得なかった。

数日間続けると、黙って宿題に取り組むようになった。宿題を終える時間も飛躍的に短くなり、「本当に終わったの?」と言って私が確認したらきちんと解けていた。

私の新著「すごい集中力」では、このような現象を次のように解説した。

一般的に、このような現象を「集中力が付いた」というが、前回書いたように簡単にはフロー状態にはなれない。

フローを「集中」だと考えると、「集中」とは別の「持久力」が付いたのだ。嫌いな勉強を遂行するためには、最初に「持久力」を養う必要がある。

「持久力」ができれば、その時間内に「集中」をうまく配分することができる。一流のアスリートたちが、試合中に「集中」とリラックスを巧みに配分できるのと同じだ。

子供が勉強しないと嘆く人たちは、まず子供に「持久力」を持たせる必要がある。

一定時間持久する力が身につけば、その時間内に「集中」が生まれ、拡大し、巧みに配分することができるようになる。

特に中学受験生の保護者の方々は、子供に「持久力」を付けさせる努力をしよう。

なぜ、中学受験生の保護者だって?

中高生になると子供は親の言うことを聞かなくなるからだ。わが身を省みれば、納得いただけると思う。


編集部より:この記事は弁護士、荘司雅彦氏のブログ「荘司雅彦の最終弁論」2022年8月25日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は荘司氏のブログをご覧ください。