「2ちゃんねる」の開設者で実業家のひろゆき氏が、俳優・香川照之氏が行ったクラブで働く女性に対する性加害に対し、女性の自業自得と取られかねない発言をしている(自身のTwitterにも動画を添付し載せているが、そこにも「被害者のホステスは自業自得」との文字がある)。しかし、私はこの見解に大いに異議がある。
まず、ひろゆき氏に事実誤認があることだ。ひろゆき氏は自身のYouTubeチャンネルのなかで「キャバクラってそういうところでしょ?」と述べているが、被害女性はキャバクラで働いていたわけではない。銀座のクラブで勤務していたのだ。
クラブのホステスは、確かに接客を商売にしている。しかし、ひろゆき氏が言うような、性的サービスを提供しているわけではない。キャバクラでも、基本的にはいわゆる「お触り」は禁止されている。行き過ぎた行為をおこなうと、店から出禁を言い渡される可能性もある(しかし、軽いお触りなら許容してくれる店や勤務する女性もいるようだが)。性的なサービスを含む営業形態(お店)でない限り、お触りさえ禁止なのだ。
今回の香川さんの行為は、軽いお触りどころではない。ここでは書けないようなことを、何度もしつこく行っているのだ。刑法176条の強制わいせつ罪が成立する可能性があることをやっていたと言えよう。ひろゆき氏は、香川氏が本当にダメな行為をしていたなら、ママが止めるか警察が呼ばれているはずだとし「そういうものを許容する空間だった。『そうじゃないと思った』というのはただの誤解」「多分、ブラジャーを外される前にもっとその前哨戦があったと思う。
似たような接触だったり、性的な嫌がらせというのが多分あって、でも、それをママが止めないっていうのがあった。なので、その時点で『この店ヤベエ』やって気づくべきだと思うんです」と述べ、被害を受けたのは、被害女性の自業自得とも取れる発言をしているのだ。
しかし、これも、「多分」と言う言葉があるように、ひろゆき氏の推測である。いきなり、香川さんが過度な行為をしてきた可能性もあろう。また、「この店ヤベエ」と思ったから、事件後に被害女性はクラブのママを訴えているのだ。
私は、被害女性は何も悪くないと思う。性被害にあった女性を事実誤認で貶めるひろゆき氏の見解を許容することはできない。