お金を手に入れるだけでは幸せにはなれない

早稲田大学エクステンションセンターで開講した「10万円からはじめる!お金の増やし方・守り方講座」が今週終了しました。2001年から21年続き、今回が35回目の開講となるロングランの講座です。

週1回×6回の講座で、資産運用をゼロから学べる初心者・未経験者向けのコンテンツになっています。

最終回の授業で受講生からこんな素朴な質問がありました。

「内藤さんは、既に充分な資産を持っていると思いますが、早稲田で講義をする理由は何ですか?」

仕事をしなくても食べていけるのに、ナゼ仕事を続けるのかという疑問があるようです。

早稲田大学の社会人向け講座は、大学の講座ということもあって受講料も低く抑えられています。講師料は支給されますが、その金額はわずかなものです。お金を稼ぐ仕事としては、あまり良い仕事ではありません。

早稲田大学だけではなく、資産設計実践会や世界の資産運用フェアなど、個人投資家向けのセミナーや講演を続けている理由は、その仕事に社会的な価値があると考え、自分が提供する知識や情報が誰かの人生を変えていくことに大きな喜びを感じるからです。

日本人もようやく資産運用の重要性に気が付き始めましたが、その具体的な方法については間違えた情報が溢れています。

私の提唱する方法が、唯一の正しい方法とは言いませんが、20年以上の投資啓蒙によって、結果を出した個人投資家はたくさんいるはずです。

著書の累計出版部数は80万部を超えていますから、数万人の人たちに影響を与えたと言っても過言ではありません。

そんな人たちをこれからも増やしていきたいと思って、楽しく仕事を続けています。

お金を稼ぐのが目的の「ライスワーク」ではなく、自分の人生のミッションを達成するための「ライフワーク」とう訳です。

もし、今仕事を辞めてしまえば、自由な時間がたっぷり手に入るかもしれませんが、しばらくすればそんな生活にきっと飽きてしまうことでしょう。

お金があっても幸せになれない人は珍しくありません。

少なくとも私も、仕事を通じて社会との接点を持ち、誰かに感謝されることによって幸せを感じるタイプなのだと思います。


編集部より:この記事は「内藤忍の公式ブログ」2022年11月17日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

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資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。