自宅近くの裏通りに行列の出来ているランチのお店を見つけました。白米が食べられる親子丼のお店だったので、翌日の開店時間を狙って早速食べに行きました。
メニュは親子丼(写真)しかありません。大盛りか並みを選ぶシンプルなメニュ構成になっています。そして、以前は昼夜営業だったようですが、今はランチタイムのみの営業となっています。
開店からしばらくすると、店内は満席。私が食べ終わった時にはお店の外に行列ができていました。ご飯はあきたこまち、鶏は比内地鶏、そして卵は奥久慈卵と材料にこだわり、ネギや三つ葉のような余計なものは入っていません。フワフワの上質な親子丼を堪能できました。
恐らく以前はよくある居酒屋のような営業形態だったと想像します。それが、夜の営業を止めて、ランチに特化し、メニュも親子丼に絞り込むことで、人気店化しました。親子丼の価格も以前は1000円以下だったようですが、1300円に値上げしています。
この経営戦略はガトーショコラのあのお店を思い出させるものでした。
「捨てる勇気」が、お店の特徴を際立たせる差別化マーケティングとなることで、収益性と時間効率を改善し、高収益を短時間で得られるお店に変貌したのです。
これは飲食店以外のビジネスにも大いに参考になる事例です。
私の周りの経営者を見ていても、いつもセミナーやらコンサルやらに忙殺されて、その割に儲からない「忙しいのに儲からない人」を見かけます。その一方で、いつ会食やイベントに誘ってもフットワーク良く参加するのにしっかり稼いでいる「暇なのに儲かる人」もいるのです。
「暇なのに儲かる人」の特徴は、自分の得意分野に特化していること、差別化を意識して価格競争しないこと、そして仕組みを作ることで自動的に収益が得られる工夫をしていることです。
日々の仕事に忙殺されている人は、自分で無くても出来る仕事をアウトソースするか、あるいはいっそ捨ててしまうことです。
2割の仕事が8割の収益という「パレートの法則」が正しければ、仕事を8割減らしても収益は2割しか減りません。つまり大半の仕事は、自分がやらなくても良いのです。
編集部より:この記事は「内藤忍の公式ブログ」2022年12月22日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。