恋愛とは、急に燃え上がることもあれば、ひょんな事から急激に醒めてしまうこともあります。これは、私だけでしょうか?
いつまでも恋愛感情を保ちながら、何十年もパートナーとの付き合いを続けているカップルをたまに見かけますが、私から見ると何ともうらやましい限りです。
そんな移ろいやすい恋愛に比べ、友情はずっと長く生涯にわたって続いていくもの。これが常識的な考え方です。
ところが、「楢山節考」の作者である深沢七郎さんは、
「友情とは、季節に咲く花のようなもの」
と語っています。
春には春の花が咲き、秋には秋の花が咲く。それと同じように、友情も人生の季節によって誰と付き合うかが変わっていくという捉え方です。
つまり、友情も恋愛と同じように、移り変わっていく人間の感情の中で変わっていくものの1つだと言うことです。
確かに、年齢を重ね、経済力や生活スタイル、さらには価値観は変わってくれば、それを共有したくなる友人の存在も変わってきます。
自分が変わっていき、相手も変わっていくことで、季節に咲く花が変わっていく。
更に突き詰めると、付き合う相手を変えなければ、今の人生を変えることはできないという過激な考え方にも到達します。今咲いている花を無理やり枯れさせて、新しい花に換えるという発想です。
一方で、昔の楽しかった時間を共有できる存在も貴重なものです。高校や大学に出会った学生時代の友達たちは、これから二度と出会うことの無い大切な存在てす。
自分の都合に会った時だけ付き合う友達は、本当の友達ではないと考えることもできます。本当の友達とは、利害関係なしに付き合うことができる人間関係です。
とすれば、「季節に咲く花」のような友人とは、本当の友情で結ばれた存在ではなく、単なる遊び仲間に過ぎないのかもしれません。
私は長い間付き合っている友達の数がそれほど多くはありません。そんな季節に関係なくずっと咲いていてくれる友達をもっと大切にしなければいません。
編集部より:この記事は「内藤忍の公式ブログ」2023年8月4日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。