洋上風力の入札ルールを変更したのは河野太郎氏か

秋本真利が外務政務官を辞任した。まもなく自民党を離党するらしいが、それだけではすまない。日本風力開発からの贈賄の容疑は「競走馬の共同購入」ということだが、秋本の名義は馬主にはない。

捜査は「本丸」に及ぶのか

これはどう見ても裏金だが、秋本の捜査は7月初めから始まっており、強制捜査は時間の問題だった。焦点はこんな小物ではなく、本丸に強制捜査が及ぶのかということだ。洋上風力のルール変更については、再エネ議連顧問の河野太郎氏が賞賛している。

これを日経新聞が「三菱商事の総取り許すな 洋上風力発電、政官絡むバトル」と書いた記事について、河野氏は「エネ庁しか知らない情報を売り込んだ役人がいる」といい、「ルール変更は萩生田経産相の要望だ」と書いた。

そうだろうか。去年2月17日の衆議院予算委員会で、秋本はこう質問している。

秋本:私は、第三ラウンドではなく、是非、萩生田大臣の英断で、第二ラウンドからこの制度の見直しというものをしていただきたいというふうに思うんですけれども、大臣、どのようにお考えになるでしょうか。

萩生田国務大臣:第二ラウンドから直ちにやらないのか、こう言われますと(中略)試合のルールを決めて公示をしちゃって、そこに参加している人たちがいらっしゃる以上は、やはり途中でルールを変えるというのはどうかなと私は思っているんです

秋本は「第二ラウンドからこの制度の見直しというものをしていただきたい」と、ルール変更を求めている。国会質問は国会議員の職務権限で、リクルート事件では公明党の池田克也が有罪になった。

これに対して萩生田氏は「途中でルールを変えるというのはどうかな」と答えている。これは河野氏の「いろいろな仕組みを見てみたかったな」という話とは逆である。河野氏が聞き違えたとは思えないので、これは伝聞か作り話だろう。

萩生田氏はルール変更に消極的だった

河野氏は再エネ議連がエネ庁に圧力をかけたことは認め、その担当者が「(再エネ議連との)クローズで開催した会合」でしか知りえない話をマスコミに流したと書いている。

これはまったく逆である。萩生田氏は「途中でルールを変えるというのはどうかな」と言っていたのを、再エネ議連が押しきったのだ。これは秋本のような小物だけでできることではない。業者の金は、議連の他の議員にも渡った疑いが強い。

この書き方からみると、入札ルールの変更を発案したのは河野氏ではないようだが、彼が再エネ議連のトップとして圧力をかけたことは明らかだ。それがこういう結果をまねいたことについて、河野氏には説明責任がある。