国民民主党の玉木代表の医療費への問題提起が引き続き議論を巻き起こしています。本人の意図とは別に、今度は美容整形(形成)の是非を巡っての議論が熱く転換されています。
我々は医療を効率だけで考えていません。産科や小児科、例示いただいた難病の治療などには、むしろ重点配分すべきと考えています。また、医師ひとり養成するのに多額の税金が使われるのに、理IIIからも美容整形に人材が流れる現状には問題意識を持っています。医療のみならず知見をお持ちの介護の分野…
— 玉木雄一郎(国民民主党代表) (@tamakiyuichiro) November 3, 2023
これに対して、東大理三出身だというお医者さんは、「美容外科医としてそのように否定されたりすることがしばしばあるが、個々人にそれなりに理由があるのだ」と反論しています。
実際に東大理三出身で美容外科医として働いている者です。
同じような言葉で自分がここまで進んできた道を否定されたり指摘されたりすることが多く、様々な立場があることを考えさせられます。私がかつて進もうと思っていた科は別にありましたが… https://t.co/6YvphnsUQW
— ゆき先生@婦人科形成 (@____yukit) November 4, 2023
しかし、玉木代表は個々人の生き方を批判ではなく、医学部定員と医師免許により医師数がコントロールされている参入障壁・規制の存在によって超過利潤(レント)による非効率を再考するように促しているのですが、いきなり議論がかみ合わなくなっています。
個人の選択としては、東大理Ⅲから美容整形に行くのは「個人の自由」としか言いようがありません。
他方、制度としては、たとえ自由診療ベースであっても医学部定員と医師免許により医師数がコントロールされており、参入障壁・規制の存在によって超過利潤(レント)が発生している状況。(続く↓) https://t.co/ELloU2c1wK— 霞ヶ関女子 (@kasumi_girl) November 4, 2023
日本の限られた人材という意味では、頭のいい人たちが全員医学部に進んでしまうのは損失とも言えます。
これはほんとだな。成績が上だと医学部とか固定的な流れは本当に社会的に損だから変えるべきと思う。 https://t.co/7K5NUAsXNV
— 木下斉 / 「まちづくり幻想」日台韓中で発売中! (@shoutengai) November 5, 2023
しかし、美容整形の産業としてのポテンシャルは非常に高いです。
美容整形を敵視するのはよくない。これから医療は国内最大の産業になるので、自由診療で豊かな人がどんどん医療サービスに金を使うことが雇用を生み出す。
最低限度の医療費(1階部分)は税に置き換え、2階部分の規制を緩和して、自由診療を増やすべきだ。— 池田信夫 (@ikedanob) November 4, 2023
ほんものの美容整形(形成)医とほんものでない美容整形医がいるらしいですが、また議論がズレていきます。
『美容整形に人材が流れる』とか書いてあるけれど、
『美容形成』です。そして、本物の美容形成医は大学病院などで十年程度は形成医学の研修を行い、
瘢痕形成、
先天性形態障害、
熱傷、
指や四肢の再接着
腫瘍摘出後の傷痕の修復
など極めて高度な外科技術を修めてから美容形成医となります。… https://t.co/CVUoWTjvVc— 知念実希人 物語り (@MIKITO_777) November 3, 2023
上記の玉木代表の発言のこのコメントへのリプライでした。「国民民主党が医療を効率や効果で語ることに憤りを感じる」ということですが、リソースは限られています。① QOLの大事さと② 限られたリソースの配分の大事さの話と混ぜてしまっています。
国民民主党の面々が医療を効率や効果で語ることに憤りを感じる
脳性麻痺や重度知的障害を筆頭に、寛解再発を繰り返す難病や先天性疾患、慢性疾患に携わる診療科は不利になる
改善QOLのスコア化は必須としても、異常なのは先端の高額薬価やPCR検査利権、美容整形、代替医療などの自由診療だろうに
— 火鍋チャンネル(妖精) (@hinabe_ch) November 2, 2023
論点を二つ以上に設定すると議論は破綻します。論点をずらしつづけ議論がかみ合わないままに、分野に限らずレントによって国家は衰退していくものなのかもしれません。