仙台高裁の岡口基一裁判官に対して裁判官弾劾裁判所が罷免判決を宣告しました。裁判官弾劾裁判所は「SNSによる中傷で自殺者も出ている中、悪質性が重い」と見解を述べています。
SNS不適切投稿の岡口判事を罷免 11年ぶり8人目 弾劾裁判所https://t.co/6ouZCSd74F
岡口氏は法曹資格を失った。
罷免判決は盗撮で罰金刑を受け、平成25年に罷免された大阪地裁判事補(当時)以来で、8人目。岡口氏は、SNS投稿を理由に訴追された初めての例だった。— 産経ニュース (@Sankei_news) April 3, 2024
判決により、岡口氏は裁判官の身分だけでなく、検察官や弁護士になる資格も一定期間失うこととなりました。
女子高校生殺害事件に関してSNSで不適切な投稿を繰り返したといわれる岡口元判事が、国会の弾劾裁判所に訴追されていました。15回にわたる審理の中で、訴追委員会は罷免を主張し、弁護側はそれに反対していました。犯罪行為でない事由で罷免になるかどうかという点や裁判官の表現の自由の是非についての点に注目が集まっていました。
裁判官弾劾裁判所は、国会が憲法64条に基づいて設置され、衆議院と参議院の合計14名の国会議員(各議院ごとに各7名)で構成されます。裁判官弾劾裁判所ではこれまでに8回の罷免判決が下されています。
これは酷い。
「これまでの公判全15回を「皆勤」したのは3人のみ。出席率が7割を下回る裁判員が6人いるなど、欠席や途中交代が目立つ。」
岡口判事の弾劾裁判にみる「制度の欠陥」 裁判員の国会議員、欠席や交代だらけ 出欠状況を総まとめ – 弁護士ドットコム https://t.co/CGTjaWwPF6
— 弁護士 上瀧浩子 (@sanngatuusagino) April 3, 2024
■
岡口元判事はXで裁判の結果を報告しました。
裁判ダメでした(😊) pic.twitter.com/S2gEKawSZd
— 岡ロ基ー (@okaguchikii) April 3, 2024
岡口元判事がSNSに投稿したという女子高校生殺害事件の被害者遺族もこの判決に対してコメントしています。
「心の傷」「許すつもりない」 殺人事件の遺族がコメント―岡口判事弾劾https://t.co/LT2ePx3RAa
岡口基一判事(58)を罷免する弾劾裁判判決を受け、同判事からSNSに投稿された女子高校生殺害事件の被害者遺族は「一生の心の傷」「許すつもりはない」などとするコメントを出しました。
— 時事ドットコム(時事通信ニュース) (@jijicom) April 3, 2024
一方で、この弾劾が司法の在りかたとしてどうなのかという指摘が多く見られます。
罷免かぁ……
岡口さんの言論は賛同できないけれども、この結論が司法のあり方として良いものかはかなり疑問ですね。
とりあえずいえるのは、任官希望者はますます減って退官希望者は増えるのではないですかね。— ありふれたろいやー (@OrdinaryLaywer) April 3, 2024
岡口基一裁判官の弾劾裁判所の件は、岡口さんのことが好きとか嫌いとか、例のツイートがいいとか悪いとか、裁判官として評価に値するとかしないとか諸々の評価を抜きにしても、ヤバい問題だと考えています。こんなことで裁判官を罷免できるなら、司法の独立なんてガラガラと崩れていきますよ。
— 弁護士戸舘圭之【袴田事件弁護団】 (@todateyoshiyuki) August 24, 2021
岡口判事に悪意はなくても遺族の感情を傷つけた以上罷免という流れとなりました。
岡口判事の罷免の判決は国の恥だよ。
こんなレベルの人権意識の人が国を仕切ってるからAV新法みたいな現場も憲法も無視した議員立法が出来上がるんだな。— 宇佐美典也(4/1新橋で餃子屋「新橋蓮月」OPEN。投資教室はやってません。) (@usaminoriya) April 3, 2024
表現の自由へのけん制となることを心配する声も。
判決読んでびっくり‼️要は、罷免すべきかどうかは、受け手の感情次第、というもの。「結果として遺族の感情を深く傷つけた」から「著しい非行」。犬訴訟の方は抗議は少ないので「悪質性は低く」と。相手の受け取り方、感情次第で“有罪”になるなら、怖くて「SNSでの発信はやめとこ」となりますよね https://t.co/31aoDrv85Z
— Shoko Egawa (@amneris84) April 3, 2024
法曹資格を奪う前にそもそもSNSの誹謗中傷をなんとかしろという声も。
岡口裁判官の投稿内容は、法曹資格を奪うようなものだったのか?
意見が分かれるが、被害者を直接誹謗したものではないという解釈もある。
それなら、SNSに溢れる誹謗中傷はなぜ野放しなのか?
まったく意味不明な判断だ。https://t.co/w4R0TDIVjd— 岩澤 倫彦 (@michiiwasawa) April 3, 2024
司法、行政、立法が相互に監視することが憲法と民主主義の基盤だという論調も見られます。
<主張>岡口判事を罷免 国民常識にかなう判断だ https://t.co/dD4BahFiiw
岡口氏に対する罷免判決について「国会議員が裁くことに違和感がある」「裁判官を萎縮させる」といった批判が出ているが、いずれも見当違いだ。三権が相互監視することが憲法が求める民主主義の基盤である。
— 産経ニュース (@Sankei_news) April 4, 2024
伊藤真氏が主宰する司法試験の予備校「伊藤塾」の行使に内定しているそうです。
罷免判決を受けた元裁判官の岡口基一氏が、伊藤塾の講師に。「要件事実」などを教えるそうです。
多くの法律家が実務で活用する『要件事実マニュアル』など、法律書のベストセラー作家でもあり、「セカンドキャリア」が注目されていました。https://t.co/XnNFNdtfLv
— 弁護士ドットコムニュース (@bengo4topics) April 4, 2024
いずれにせよ、弾劾裁判所の在りかたも問われる判決となりました。
弾劾裁判所は、こんな下らない裁判をするためにあるわけじゃない。 https://t.co/khE7cUiTao
— 池田信夫 (@ikedanob) June 16, 2021