5月というのに暑かった5月18日、京都を歩き、御王神社にやってきました。
護王神社は京都御所の西、蛤御門にほど近い場所にある小さな神社。Google Mapでもコメントがある通り、イノシシにちなんだ神社です。
鳥居の前には狛犬ならぬ狛イノシシ。のっけからイノシシ感満載です。
実はこの神社は足腰の健康にご利益のある神社。イノシシと一体何の関係があるのでしょう。
この神社のご祭神である和気清麻呂(わけのきよまろ)は奈良時代、道鏡が豊前宇佐八幡より自らが天皇となるべき御神託を受けたと嘘をついたのを暴き、道鏡の怨みを買って足の腱を切られたうえ大隅地方へ流罪とされます。
九州に下る際に、宇佐八幡に立ち寄ろうとしたところ300頭のイノシシが現れ、宇佐八幡まで清麻呂を護送してくれました。無事宇佐八幡に着いたときには、切られた腱は治っていました。
皇族を道鏡の野望から守った「護王」清麻呂は、古くは洛西の高雄山神護寺に祀られていましたが、明治時代にこの地に移りその逸話から足腰の健康にご利益のある神社とされ、彼を守ったイノシシがともに祀られているのです。
今では足腰の健康にご利益があることから転じて、サッカーなど足を使うスポーツ選手が足腰の守護と技術上達の奇岩にやってくるようになったそうです。
というわけで神社の中はイノシシ尽くし。
願掛けの神をはさんだ串をこの石の前に立てて大願成就を祈る座立亥串(くらたていぐし)。この神社の独特の風習です。
社務所の中には寄贈品や境内で売られているイノシシみくじの殻など様々なイノシシグッズが並べられていました。
わたしは亥年生まれ。イノシシは近年は山から下りてきて人や農作物に危害を与える厄介者として扱われてしまっていて寂しかったのですが、こうやってイノシシが神の化身として祀られていると誇らしく感じますね。足腰の神様ではありますが、イノシシを祀る神社でもあるのでこの神社は当然亥年生まれの守り神でもあります。
儲かりますように儲かりますように儲かりますように!
小さな神社ですがイノシシだらけで歩いていてとても楽しい神社です。
是非歩いてきていただいて、これからも末永く散歩が楽しむことができるよう祈願してみてはいかがでしょうか。
編集部より:この記事はトラベルライターのミヤコカエデ氏のnote 2024年5月28日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方はミヤコカエデ氏のnoteをご覧ください。