「未来の喜び」を売る!?成約率を高める質問力とは?

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自宅サロン・自宅教室のコンサルティングを行っている著者が、集客力・成約率を格段に高めるための「魔法の傾聴テクニック」を解説します。

本書で紹介するのは、「攻めの傾聴力」。営業力や成約力をアップさせたい方には必見でしょう。

自宅サロン・自宅教室のための魔法の傾聴力」(高橋貴子 著)秀和システム

お客様は「未来」を買っている

ビジネスにおいて、成約は最終的な目標です。しかし、単に商品やサービスを紹介するだけでは、なかなか成約に至りません。高橋さんは次のように答えます。

「答えは、お客様は、商品そのものを買っているわけではなく、自分が得られる未来の喜びの姿を買っているからなのです。つまり、いくらスペックを伝えられても、お客様自身が『未来への希望』をイメージできない限り買わないのです。では、どうすれば未来への希望をイメージしてもらえるのでしょうか」(高橋さん)

「そこは、質問力がカギを握っています。成約率を高めるための効果的な質問は、①ニーズを明確にする質問、②関心を深める質問、③疑問や懸念を解消する質問、④緊急性を高める質問、⑤成約への最終的な質問の5つです」(同)

ニーズとは、英語で「要求」「求めているもの」といった意味を持つ言葉。人の不満や欠乏から生まれるニーズを満たすため、何かを提供したり、不安とのギャップを解消したりすることが求められているのだと、高橋さんは続けます。

これは、実際の商品に置き換えるとわかりやすいでしょう。「フェラーリ・ベルリネッタ・ボクサー」という車を説明する際に、エンジン4,942cc180度V型12気筒、最高出力360hp/6,800rpm、最大トルク46.0kgf·m/4,600rpm、5速MT、全長4,400mm、全幅1,830mm、全高1,120mmと説明しても誰も関心を持ちません。

次のような一文を加えたらどうでしょうか?

フェラーリ・ベルリネッタ・ボクサーが入荷しました。色は真っ赤なロッソ・コルサです。

これくらいシンプルなほうがニーズは伝わりやすいのです。

出版ビジネスも化粧品もバッグなども、自分がそれを手にしたことをイメージさせたほうが成約率は高まります。ニーズを提供しているからです。

クロージングを焦ってはいけない

営業活動に従事する人は、お客様へのニーズを発掘のための質問からスタートしなければいけません。そして、お客様のニーズを把握して、不満足を満足にする提案が具体的にイメージできる瞬間がやってきます。それがクロージングです。

しかし、お客様が、乗り気になっても成約に至らない場合があります。信頼関係で構築できていない段階で、早々に契約を迫ったことが挙げられるでしょう。

また、お客様が他社製品を使用しているのを見て、こき下ろしするのも悪手といえます。次に2つのトークの事例を紹介します。どのように感じるでしょうか。

【トークA】

安心商事さんの製品をお使いですか。壊れやすいとか、使い勝手がイマイチとかの評判を聞きますよ。使い勝手はどうでしたか?良かったんですか??

【トークB】

安心商事さんの製品をお使いですか。安心できて素晴らしい製品ですね。すごく便利な機能がついていますよね。かなり評判みたいですよ。

トークAは、お客様の人格を毀損しかねなません。トークBは、余裕と人徳を漂わせているように聞こえないでしょうか。やはりネガティブワードは禁物です。

本書に取上げられたケースはリアリティがあることから多くのビジネスに利用できます。

尾藤 克之(コラムニスト・著述家)

2年振りに22冊目の本を出版しました。

読書を自分の武器にする技術」(WAVE出版)