ドナルド・トランプ前大統領がウォール・ストリート・ジャーナル紙とのインタビューで、中国が台湾を侵攻した場合、巨額の関税で報復することを示唆しました。
台湾侵攻なら中国に200%の関税 トランプ前大統領が強硬姿勢 https://t.co/YvaElLDKgF
— テレ朝news (@tv_asahi_news) October 19, 2024
トランプ氏は具体例として150%〜20%の関税を中国に対して課す可能性があることに言及しました。しかし、軍事侵攻に対する報復としては弱いのではないかと指摘する識者もいます。
もし中国が台湾を侵略したらトランプはどうするだろうか?
同氏はウォール・ストリート・ジャーナル紙にこう語った。
「もし台湾に行くなら、申し訳ないが、150%から200%の税金を課すつもりだ」
それでおしまい?
第一次トランプ政権は軍事力の行使に消極的であり、実力行使をした場合でも局地的な範囲に留まるという特徴がありました。
例えば、トランプ政権は2017年にシリアの軍事施設への攻撃、2020年にはイランの司令官を暗殺を実行しました。しかし、これら以外の軍事行動を含め、トランプ政権は非常に限定的な攻撃範囲を設定していました。
トランプ政権中に”開始”された軍事作戦:
①化学兵器使用即応のシリア政府空軍基地空爆2017.4
②同じくシリア政府拠点への空爆を英仏と2018.4
③中東海域の航行の自由のための多国籍海事共同「歩哨作戦」
④在イラク米大使館攻撃に即応してイラン革命防衛隊スレイマニ将軍を殺害した空爆と増派2020.01— 伊勢崎賢治 (@isezakikenji) November 6, 2020
トランプ政権は全く軍事介入を行わなかったわけではありませんが、大規模な戦争に見舞われなかったことは事実です。
トランプ政権下での比較的安定した国際情勢とは違い、バイデン政権が発足してからウクライナ戦争と中東全域を巻き込みつつあるガザ戦争が勃発しています。
民主党政権が新たな戦争を抑止できなったことにより、かえって「戦争を起こさなかった」トランプ氏の手腕に期待が集まっています。
中東・ウクライナ戦争対応でトランプ氏リード、激戦7州=調査 https://t.co/LJmVcIJ7lO https://t.co/LJmVcIJ7lO
— ロイター (@ReutersJapan) October 14, 2024
トランプ氏はウクライナ戦争を「24時間以内」に終わらせることを公約にしています。この主張は民主党によって国際社会の均衡が崩れており、自分が再選すればそれを回復することができるという自負が込められています。
しかし、トランプ氏の発言は選挙期間中のリップサービスの側面があることを差し引いて考える必要があります。また、トランプ氏は性格上、関心が余りない話題については政策的立場を頻繁に変える傾向があることもあります。
一方、貿易問題で米国が劣勢に立たされているというトランプ氏の認識は1980年代から一貫しています。
「台湾軍事侵攻しないだろう。しても関税で報復だけ」なんて言われたら北京中央側は大喜びだけど、その発言自体を即撤回するトランプ氏の性質も理解してるのでスルーするしかない談話でしょうぬ。
トランプ氏、台湾有事なら「中国に最大200%の関税」 軍事力は使用せず https://t.co/zwXCaJWPIK
— 中川コージ/ Dr.NAKAGAWA (@kozijp) October 20, 2024
Trump’s response is colloquial but makes perfect sense. “Free trade” absolutism is strategically dumb. You’ve read Hamilton, right? Also, Trump started talking about his trade strategy and China (and others) in the 1980s. https://t.co/dJHSxJcbXF
— Dust (@dustpen01) May 1, 2024
トランプ氏の返答は口語的だが、完全に筋が通っている。「自由貿易」絶対主義は戦略的に愚かだ。ハミルトンを読んだことがあるだろう?また、トランプ氏が貿易戦略と中国(およびその他)について語り始めたのは1980年代だった。
実際の台湾有事の際に米国がどのように対応するかは、その時のトランプ氏の気分、同氏の国際情勢認識、そして誰がトランプ政権入りしているのか、といった様々な変数によって決まります。
米国大統領選の投開票まで残り20日を切っています。