新聞、テレビ、通信社など記者クラブメディアは政党の選挙公約を読んでいるのか疑わしいと思います。
実は今回自民党の選挙公約では岸田政権のときに掲げていた防衛費をGDP比率2パーセントに増やすとありましたが、今回は掲載されていません。これは安全保障分野において大きな意味を持つと思います。
岸田政権のときの選挙公約です。
対して今回の第50回衆議院選挙公約です。
これの意味するところは石破内閣では防衛費をGDP比2パーセントまで引き上げない可能性が出てきたということです。
ですが記者クラブメディアはこれを指摘していません。選挙公約を読んでいないのか、安全保障に対する見識がないのか、単に政局的なことにしか興味がないのか、その全部かもしれません。
それと日経の国際航空宇宙展に関するデマ記事です。
航空・宇宙防衛の装備競う 都内で展示会 海外勢、自衛隊に売り込み 日経新聞
欧州のエアバスは日本の航空会社向けに民間旅客機を販売しているものの、今回の出展では防衛装備品を中心に構成した。開発中の軍用無人ヘリコプター「VSR700」の実物大模型を紹介した。
エアバスはこれまで陸上自衛隊にヘリコプターを納入した実績があるのみだ。米軍との連携を重視する自衛隊は米国製の装備導入を優先してきたためだ。
これは陸自の運用するVIP用のスーパーピューマのことでしょうが、海自が導入したTH-135を知らないようです。経験の浅く知識がない記者ならば、それは取材対象に確認すべきです。そしてデスクや校閲もチェックしてその結果記事になったのですから、日経の新聞社としての能力がよくわかります。
こういう会社が記者クラブと称して公館庁の取材機会を囲い込んで独占し、その他のメディアやフリーランスを排除しているわけです。
【本日の市ヶ谷の噂】
軍オタさんたちが絶賛擁護する、沖電気とNECの海自向けの国産ソノブイだが諸外国ではどんどん新製品が投入されているのに、開発費も人員おらず(音響工学博士はゼロ)で長年旧式のソノブイを漫然と作り続けている、との噂。
■
東洋経済オンラインに以下の記事を寄稿しました。
「自衛隊員の手榴弾事故」現状の対策は不十分な訳旧式の危険な手榴弾が訓練でも使用されている
Merkmal(メルクマール)に以下の記事を寄稿しました。
航空自衛隊のT-7後継機取得 「官製談合」疑惑が再燃するなか、透明な入札は実現できるのか?
「石破首相 = 軍事オタク」は本当か? 防衛知識ゼロの他政治家が国を守れるのか? 石破氏を長年知るジャーナリストが“真実”を語る
月刊軍事研究に「ユーロサトリでみた最新MBTの方向性」を寄稿しました。
Japan in Depthに以下の記事を寄稿しました。
European Security & Defenceに寄稿しました。
JGSDF calls for numerous AFVs within Japanese MoD’s largest ever budget request
東京新聞にコメントしました。
兵器向け部品の値段「見積り高めでも通る」 防衛予算増額で受注業者の利益かさ上げ 「ばらまき」と指摘も
東洋経済オンラインに以下の記事を寄稿しました。
海上自衛隊の潜水艦メーカーは2社も必要あるか川重の裏金問題で注目される潜水艦の実態
編集部より:この記事は、軍事ジャーナリスト、清谷信一氏のブログ 2024年10月18日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は、清谷信一公式ブログ「清谷防衛経済研究所」をご覧ください。