USスチールを買収したい米鉄鋼大手CEO、『日本は中国より悪い』と日本人を逆なで

米鉄鋼大手クリーブランド・クリフスのローレンソ・ゴンカルベスCEOは、USスチールの買収に強い意欲を示し、日本が中国に不当廉売や過剰生産の手法を教えたと主張し「日本は中国より悪い」「1945年以来、われわれの実力を学んでいない。日本は自分が何者であるか理解していないことを自覚すべきだ」と述べました。そして、日鉄によるUSスチール買収計画をバイデン大統領が阻止したことを「国家安全保障上必要な判断」として支持しました。

政治を使った強引な買収阻止はもちろん、この発言の認識に疑問を持った日本人は少なくないようです。

あなたは自分が何者なのか理解していない。1945年から何も学んでいない。私たちがどれほど善良で、どれほど寛大で、どれほど寛容であるかを学んでいない。

クリーブランド・クリフスは、日鉄が計画を破棄した場合にUSスチールの買収を進める方針を明らかにしました。

ゴンカルベスCEO クリーブランド・クリフス YouTubeより

一方で、日鉄はゴンカルベス氏の提案が自社の買収計画に匹敵しないと反論し、地域社会の利益のために努力を続ける姿勢を示しました。しかし、日本製鉄のUSスチール買収に反対しているクリーブランド・クリフスは、以前の買収入札で金額面で日本製鉄に敗北しています。同社は政府の力を利用してUSスチールを安価に買収したい意図があるようです。

日鉄とUSスチールはゴンカルベス氏が反競争的な行為を行っていると提訴し、対立がさらに深まっています。クリーブランド・クリフスは同業他社ニューコアとの提携案も検討していると報じられています。

トランプ前大統領へのアピールを意識した発言も多く、ゴンカルベス氏は「アメリカ・ファースト」の姿勢を繰り返し強調しました。

石破茂首相は12日に放送された番組で「政府として言うべきことは言うが、基本的に企業と企業の問題だ。民と民がお互いのためとは何なのかを話し合うべきだ」と述べ、今後の展開を注視する考えを示しています。