書くことは2つだけ。たったそれだけで、人生が変わる。「毎朝1分日記」のやり方ならば、禁煙やダイエットなどの目標を達成するための伴走してくれるメンターになってくれます。過去や現在や未来の自分を見つめ直すことができ、人間関係を築き直すこともできるテクニックを紹介します。
「奇跡が起きる 毎朝1分日記」(三宅裕之 著)ダイヤモンド社
[本書の評価]★★★★(80点)
【評価のレべリング】※ 標準点(合格点)を60点に設定。
★★★★★「レベル5!家宝として置いておきたい本」90点~100点
★★★★ 「レベル4!期待を大きく上回った本」80点~90点未満
★★★ 「レベル3!期待を裏切らない本」70点~80点未満
★★ 「レベル2!読んでも損は無い本」60点~70点未満
★ 「レベル1!評価が難しい本」50点~60点未満
毎朝1分日記は誰でも続けられる
三宅さんは、ノートとペンの2つを用意するだけで人生が変えられると言います。
「日記、という単語から連想する言葉で、おそらく上位に入るのが『三日坊主』でしょう。大手筆記具メーカーがX(旧・ツイッター)で行ったアンケートによると、日記をつけたことがある人は96%もいた一方、なんと全体の60%の人が『三日坊主で終わった経験がある』と答えたそうです」(三宅さん)
「まさに驚きの挫折率で、みなさんの中にも、日記が続かなかっ苦い経験をお持ちの方がかなりの数いらっしゃるはず。そういう私も、かつては三日坊主でした。でも、毎朝1分日記にはそんな心配はありません。誰でも、必ず続けられるのが毎朝1分日記なのです」(同)
日記を続けられない人が多いのはなぜなのか?三宅さんは、「習慣化」のメカニズムがカギを握ると言います。
「習慣について20年超にわたり研究してきた米スタンフォード行動デザイン研究所のBJ・フォッグ所長は、人が行動できるかどうかは『実行しやすさ(日本語版では能力)』『モチベーション』『きっかけ』の3つで決まると分析しています。実行がたやすい行動なら低いモチベーションでもできるというわけです」(三宅さん)
「ダイエットを例に取ると、甘いお菓子や飲み物が好きな人がそれらをすべて絶つのはとても難しいことですが、 フルーツ(ドライフルーツ)、果汁100%のジュース、ナッツなどに切り替えるのはさほど難しくありません」(同)
自分にあった方法を探そう
本書は毎朝1分日記の効果をうたっています。最近、朝活動に関する本をよく目にしますが、これはブームなのでしょうか。朝散歩も流行っていますが、いずれも習慣化の効果を強調しています。大切なのは、自分に合った方法を見つけることです。
例えば、「太陽を浴びるとセロトニンが分泌され、心が安定する」とよく言われますが、これは朝型の人に当てはまる事象です。夜型の人は夜に作業をしたほうが効率が良いでしょう。夜型の人が朝型にシフトしても、エネルギーを浪費するだけで効果が得られないかもしれません。
まずは、情報を鵜呑みにせず、自分に合った方法を探ることをお勧めします。本書は朝1分日記を実践しようとする人にとって、非常にわかりやすくまとめられた良著です。朝の思考法や習慣化は、多くの人に有益なヒントを提供することでしょう。
尾藤 克之(コラムニスト・著述家)
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2年振りに22冊目の本を出版しました。
「読書を自分の武器にする技術」(WAVE出版)