石破首相「戦後80年談話」に意欲:「70年談話」で区切りを付けたはずなのに

石破茂首相は31日の衆院予算委員会で、立憲民主党の長妻昭元厚労相の質問に対し、2025年が戦後80年の節目であることに触れ、「なぜ戦争を始め、避けられなかったのかを検証することが重要だ。検証するのは80年の今年が極めて大事だ」と述べました。「70年談話」を覆しかねないこの発言に衝撃が走っています。

「戦後70年談話」では、日本の戦争責任に関する立場は明確に示されており、安倍元総理は「痛切な反省」と「心からのお詫びの気持ち」を表明するとともに、次世代に謝罪を続ける宿命を背負わせてはならないと述べていました。

安倍元首相(首相官邸HP)と石破茂首相(自民党HP)

過去には村山、小泉、安倍各首相が戦後50年、60年、70年の節目に談話を発表しており、公明党の斉藤鉄夫代表は今回も談話を出すべきだと主張しています。

しかし、自民党の小林鷹之元経済安全保障担当相は30日、戦後80年談話の必要性について問われ、「全く必要ない。戦後70年談話がその役割を果たしている」と述べました。

「70年談話」はよく考えられていたもので一定の区切りがついていました。これから不用意な談話が出てこなければいいのですが。

石破首相の「80年談話」への意欲は安倍元首相への意趣返しだとすればとても悲しいことです。

戦後80年の首相談話の発表について、林芳正官房長官は22日の記者会見で「現時点で決定していない」と述べていました。