専門家になるより「専門家の目利き」ができるようになりなさい

週末に開催された第20回世界の資産運用フェアでは、各分野の専門家がゲストとして多数登壇して、それぞれの分野の貴重な最新情報を入手することができました(写真は会場参加された投資家の皆さまと)。

暗号資産のセッションに登壇したビットフライヤーの金光さんからは、ビットコインを始めとする現状のマーケット環境や今後の見通しについて個人的な見解を伺いました。

セッションが開催されていた3月1日土曜日の午後は暗号資産全体に高値から急落して、トランプ大統領による暗号資産へのポジティブな影響に懐疑的な人が増えている状況でした。

しかし、今後の見通しについては過剰な期待が剥落しただけで、強気の基調は変わらないというコメントがあり、また今後の有望な暗号資産としてアメリカをベースにしているXRP(リップル)やSOL(ソラナ)が有望ではないかとの意見が出されました。

トランプ大統領は3月3日の深夜に自身のSNSでアメリカが「仮想通貨準備金」の創設を行うことを指示したと明らかにしました。そして具体的な通貨としてXRP(リップル)やSOL(ソラナ)そしてADA(エイダ)が含まれると発表。中核になるのはビットコインとイサリアムであることも追加でコメントしています。

これを受けて、大幅に下落していたXRPは300円台前半から400円台半ばまで、一時30%以上の急反発となりました。値動きが荒く乱高下していますが、セッションの直後に購入した人には短期で大きなリターンがもたらされました。

暗号資産に限らず他の資産でも共通することですが、自分が全ての分野で専門家として情報収集するのは不可能です。カンボジアの不動産については、現地で毎日情報収集している人には勝てません。国内の不動産も一棟ものやワンルームなど、それぞれに専門的な知識と詳しい情報が必要です。

とすれば、個人投資家に必要なことは、自分が専門家になろうとするのではなく、「専門家の目利き」ができるようになることです。

busracavus/iStock

それぞれの分野で誰が一番信用でき、誰が一番正確な情報を持っているのかがわかれば、その人と付き合う方が良い結果が得られます。

やはり資産運用で大切なのは「誰と付き合うか」です。


編集部より:この記事は「内藤忍の公式ブログ」2025年3月3日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

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資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。