イスラエル:人類史上最もやっかいな問題

イラン戦争の主役はイスラエルである。トランプはネタニヤフにだまされて、アメリカにメリットのない戦争に巻き込まれただけだが、ネタニヤフは何のためにこんな高価な戦争を始めたのだろうか。

増補新版 イスラエル 人類史上最もやっかいな問題
ダニエル・ソカッチ
NHK出版
★★★★☆

この問題はパレスチナ問題が火を噴くたびに語られるが、ユダヤ教vsイスラム教といった宗教対立ではない。ユダヤ人がパレスチナに移住し始めた原因は19世紀以降のシオニズムであり、初期には社会主義の影響が強かった。

ただそれだけでは、これほど大きな問題にはならなかった。ボタンを掛け違えたのはイギリスである。1917年にバルフォア宣言でユダヤ人のパレスチナ国家を認める一方、フセイン=マクマホン協定でアラブ人の独立国家を約束した。

同時にサイクス=ピコ協定で中東をフランスと南北に二分する密約を結び、ここではパレスチナは英仏が国際共同管理することになっていた。このようなイギリスの三枚舌外交で、ユダヤ人もアラブ人もパレスチナに建国を求めた。

そしてユダヤ人をパレスチナに追いやった最大の原因が、ホロコーストである。ユダヤ人を受け入れる国は少なく、故郷のないユダヤ人はパレスチナに祖国をつくろうとした。このようなボタンの掛け違えが重なった結果、イスラエルという矛盾した国家ができてしまった。

その責任は欧州にあるため、彼らはイスラエルを非難できない。イランの核開発を「核拡散防止条約(NPT)違反だ」と問題にするが、NPTに入っていないイスラエルが核兵器をもっていることは明らかなのに何もいわない。

アメリカにも強力なユダヤ・ロビーがあるため、民主党も共和党も(軍事同盟を結んでいない)イスラエルに巨額の軍事援助をする。これが人口1000万人足らずのイスラエルが、これほど大きな政治的影響力をもつ原因である。

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