【医師無罪判決】「術後わいせつ」の見出しでマスコミが扇情的に報道

2016年、東京都足立区の病院で手術を受けた女性患者にわいせつな行為をしたとして準強制わいせつ罪に問われた男性医師(49)の差し戻し控訴審において、東京高裁は12日、一審の無罪判決を支持し、検察側の控訴を棄却しました。しかし、マスコミはいまだに「術後わいせつ」という表現を繰り返し使用し、判決の趣旨とは異なる印象を与えています。

本件では、女性患者の証言が手術後に生じる意識障害である「術後せん妄」による幻覚であった可能性や、患者の胸から検出された医師のDNA型鑑定の信頼性が争点となりました。

無罪判決が出たにもかかわらず、「術後わいせつ」というワードを使い続けるマスメディアに不快感を表明する声があふれ返っています。

https://twitter.com/Uematsu1987/status/1899819786789654619

判決では、麻酔学や精神医学の知見を踏まえ、女性が麻酔から覚醒する際に術後せん妄を発症し、幻覚を見た可能性を否定できないと判断しました。今回の告発が術後せん妄によるものであった可能性があるにもかかわらず、マスコミ各社の煽情的な報道で、医師とそのご家族・関係者は長年にわたり苦しめられ、さらにご子息が自ら命を絶つという悲劇も生じています。

2019年の一審・東京地裁は、女性が幻覚を体験した可能性を指摘し、DNAの付着も会話や触診によるものと判断して無罪を言い渡しました。しかし、2020年の二審・東京高裁はDNAの量を根拠に懲役2年の有罪判決を下しました。最高裁はこの判決を破棄し、高裁に差し戻した結果、最終的に無罪が確定しました。それにもかかわらず、「術後わいせつ」という見出しを使い続けることは誤解を招きます。

 

この報道姿勢に対して、すでに「クソ見出しオブザイヤー2025」のグランプリではないかとの声も上がっています。

検察が有罪を立証できなかったことは明らかであり、無罪判決を受けた男性医師は、判決後の会見で「長かった」「生活と仕事を奪われ、警察と検察に強い憤りを感じる」と述べています。

東京高等裁判所HPより