フジテレビ第三者委員会が記者会見:中居正広氏問題で明かされた社内のセクハラ体質

元タレントの中居正広氏と元フジテレビ女性社員とのトラブルをめぐり、フジテレビと親会社フジ・メディア・ホールディングスが設置した第三者委員会が3月31日に調査報告書を公表しました。

報告書によると、中居氏による性暴力により女性がPTSDを発症したと認定されました。この性暴力は「業務の延長線上」にあったとされ、女性は2023年7月に入院し、2024年8月に退社しています。

中居正広氏 ジャニーズ公式サイトより

5月31日の「BBQ会」後、中居氏・B氏・Aさんはすし店で歓談し、B氏が中居氏とAさんの交際を冗談で勧めましたが、Aさんは即座に否定しました。飲食費はB氏が接待飲食費として経費処理し、その後、中居氏の希望でAさんと連絡先を交換しました。

6月2日、中居氏のマンションでトラブルが発生し、第三者委員会はAさんが中居氏から性暴力を受けたと認定しました。ただし、当日の具体的な状況や示談内容については守秘義務のため確認できなかったとされています。

中居氏は7月12日、B氏らにトラブルを報告し、B氏は翌日に中居氏の事務所を訪れて事情を聞きました。中居氏はAさんの心身の回復を願い、事案を外部に漏らさないよう依頼しました。また、Aさんが摂食障害とうつで入院していることをB氏に伝え、支援を求める内容のショートメールも送っていました。

第三者委員会によると、B氏は中居氏の依頼でAさんの入院先に見舞金として現金100万円を届けようとし、Aさんと共演経験のある弁護士も紹介しました。こうした対応により、AさんはB氏らへの不信感を強め、「フジが大物タレントを守り、若手社員を切り捨てた」と感じたのは当然であると報告書は述べています。

2024年9月9日、B氏がAさんの8月31日付での退社を中居氏に報告したところ、中居氏は感謝の言葉とともに「ひと段落ついた感じ」と返信しました。B氏も引き続き協力する意向を示しており、両者の深い関係がうかがえるやり取りとなっています。

報告書は、中居氏のトラブルを把握しつつ番組出演を継続させたフジテレビの対応を問題視し、被害女性の自死を懸念するあまり思考停止に陥り、責任回避に走ったと指摘しました。特に当時の社長らが「女性の笑顔での復帰まで何もしない」との方針を決め、積極的な対応を取らなかったとしています。

委員会は、フジテレビが被害女性の立場に寄り添わず、中居氏の利益を優先したことで「二次加害行為」にあたると結論づけました。

また、フジテレビ社内では過去にセクハラ行為を伴う飲み会が存在していたことが明らかになっており、特にバラエティー制作局においてその傾向が顕著であったとされています。さらに、アナウンサーや社員が性別や容姿を基準に、取引先との関係構築の手段として利用されていた実態も報告されています。

今後の再発防止策として、フジテレビは被害女性に対して誠実に謝罪するとともに、組織としての理解と反省を深め、人権尊重の姿勢を取締役会主導で強化すべきであると提言しています。

中居正広氏 ジャニーズ公式サイトより(編集部)

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