28日正午過ぎ、スペイン全土とポルトガル、フランスの一部で大規模な停電が発生しました。29日には、スペインもポルトガルに続いて国内の電力復旧を発表しました。
大陸では国家間の融通も多いだろうから、隣接する国も大変だろうな。サイバー攻撃ではないのなら、やはり需給調整ミスかな。再エネの負の面が出たかな。
スペイン全土で異例の大規模停電 ポルトガルやフランスの一部でも | 毎日新聞 https://t.co/vhPpYRI9Sz
— のとみい (@noto_mii) April 28, 2025
首都マドリードやバルセロナでは、電話やインターネットが不通になり、地下鉄やバス、鉄道が止まって交通が大混乱しました。スペイン政府は非常事態を宣言し、警察官3万人を動員、ポルトガルもエネルギー危機を宣言しました。

スペインを中心とした大規模停電のようす
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停電の原因はまだ特定されていませんが、スペインとフランスの送電線の接続障害や、スペイン国内の電圧変動が疑われています。サイバー攻撃の兆候は今のところ確認されていません。サンチェス首相は、国内電力の約60%に相当する15ギガワットがわずか5秒で失われたと発表しました。
スペインのサンチェス首相は大規模停電の原因について、現時点で特定できていないと述べました。
サンチェス氏は15ギガワット相当の電力をわずか5秒で失ったと説明。電力の復旧を急いでおり、今のところ50%ほどが回復しているといいます。 https://t.co/0MrLVRkCQE
— Marika Katanuma (@marikakatanuma) April 29, 2025
停電後、スペインとポルトガルでは発電量が急激に落ち込みました。夜間で太陽光発電が利用できなかったため、主にガス火力発電や水力発電によって電力の回復が図られました。また、スペインの送電網管理会社は、フランスとの送電線接続が途絶えたことも、停電に影響した可能性があるとみられています。
まず、スペインとポルトガル両国の発電状況を見ていきます。スペインでは2025年4月28日13時ころに発生した停電により、約15GWの需要低下が発生し、発電設備も停止、もしくは送電網から切り離されました。その後はガス火力、揚水水力で発電量を回復させました。原発は停止したままです。 pic.twitter.com/v5qkXqq1zq
— 分電でんこFC(電力・エネルギー業界応援) (@denkochan_plc) April 29, 2025
スペインとポルトガルで発生した大規模停電は、南西部エストレマドゥーラ州にある太陽光発電設備が発端とみられています。事故原因の特定には数カ月かかる可能性があり、現時点ではサイバー攻撃や異常気象の影響は否定されています。事故発生時、電力供給の約78%は再生可能エネルギーと原子力によって賄われていました。サンチェス首相は「再生可能エネルギーの過剰供給や原発の出力低下が原因ではない」と強調しています。
しかし、停電の背景には、「慣性力」のない再生可能エネルギーが主流になったことで、局所的なトラブルが広域停電に拡大しやすくなっていることも指摘されています。
スペインのブラックアウトの原因は再エネではないが、「慣性力」のない再エネは停電に弱く、局所的な停電が広域に拡大した。 https://t.co/naFq4YCo38
— 池田信夫 (@ikedanob) April 29, 2025
ただし今回の直接原因は再エネではなく、ヨーロッパの複雑な送電網の基幹系統の事故や連携線トラブル、中給の誤操作などの可能性などが高いと見られています。
その一方で原因は何かが気になります。サイバー攻撃という指摘があると同時に、天候や連携線のトラブルを疑う声もあります。なお、一般論ですがヨーロッパの送電網はメッシュ状であり、日本のくし形と比較すると、電気の流れ(潮流)は複雑です。https://t.co/hx3HknMPrW
— 分電でんこFC(電力・エネルギー業界応援) (@denkochan_plc) April 29, 2025
考慮すると、今回の大規模停電の要因は①スペイン国内の基幹系統事故か、②西仏国際連系線の事故、③中給によるミスディスパッチ に絞られるのではなかろうか?
— 松尾 豪 Go Matsuo (@gomatsuo) April 29, 2025
一点、「再エネ供給過剰に伴う基幹系統や国際連系線の熱容量超過・リレー動作」の可能性を見落としていました。
この場合は、周波数計の記録だけを見ていても分からないですし、「再エネが原因」と言えてしまう可能性はありますね。大変失礼しました。— 松尾 豪 Go Matsuo (@gomatsuo) April 29, 2025
スペインでは停電時に電力周波数が49.85Hzまで低下し、さらに0.4Hz下がれば欧州全域がブラックアウトする危機だったこともわかりました。
スペインの電力周波数は49.85Hzまで下がった。あと0.4Hz下がったら、欧州全域がブラックアウトするところだった。 https://t.co/7P3s6zi2cm
— 池田信夫 (@ikedanob) April 29, 2025
現地では今も公共交通の混乱が続いており、原因究明と完全復旧に向けた作業が続いています。






