イラン最高指導者も勝利宣言:トランプ大統領激怒で制裁緩和検討を中止

イランの最高指導者ハメネイ師は6月26日、イスラエルとの停戦後初めて演説を行い、「イスラエルとアメリカに勝利した」と主張しました。

24日にはイランのペゼシュキアン大統領も、イスラエルの目的は果たされなかったとして「勝利」を宣言しました。同日にイスラエルのネタニヤフ首相は軍事作戦で脅威を排除したと述べ「歴史的勝利」を主張しました。

ハメネイ師は、イスラエルがイランの攻撃で打撃を受けたこと、またアメリカは軍事介入に踏み切ったにもかかわらず成果を得られなかったと述べました。国内メディアにも「アメリカに強烈な平手打ちを食らわせた」との言葉が引用されており、国民の不満や求心力の低下を抑える意図があるとみられています。

これに対し、トランプ大統領は27日、イランへの制裁緩和を検討していたものの、ハメネイ師の「憎悪に満ちた声明」を受けて中止したとSNSで明かしました。ハメネイ師の勝利宣言に対し、トランプ大統領は強く非難し、対決姿勢の見直しを求めました。

トランプ大統領はイランの体制転換を求めない考えを表明していましたが、「返ってきたのは怒りと憎しみだった」として、今後の協議には厳しい姿勢で臨む考えを示しました。

また、アメリカのヘグセス国防長官は、イランの核施設への軍事攻撃によって核開発を大きく後退させたと述べ、成果を強調しました。ケイン統合参謀本部議長も、特殊な爆弾の威力を紹介し、軍事的優位性をアピールしました。

トランプ政権は、イランが国際秩序に復帰しない限り状況はさらに悪化すると警告しています。両国の指導者たちのプライドのせいで「12日間戦争」がこれ以上長引かないといいのですが・・・。

トランプ大統領とハメネイ師